loveprison【5】

ごろりと無造作に床に転がったまま斎藤の虚ろにさ迷わせていた瞳がNo.23の姿を写すと、焦点が定まり光を宿した藍の瞳を鋭く細め睨みつけた。しかし、男はどこ吹く風といったように気にもとめずにニヤリと笑うとぐっと乱暴に斎藤の髪を掴み上げた。


「ぐっ…」


苦しげに漏れる声に愉悦を隠そうともせず男は、くつくつと肩を揺らし笑うと「あんだけヤっても元気だな。見掛けよりは気概があるらしい。」と、斎藤の唇に何故か優しげに触れるだけのキスをした。


□□□□□


「ふぅん、君はそっちだったかぁ。」


下半身の痛みを堪え軽作業に出ていると、隣りからまた愉快そうな声が聞こえ眉を潜めた。チラリと横目で見遣るとこの前の鳶色の男だった。


「…何のことだ。」


「何って、No.23にヤラれちゃったんでしょ。」


ふふっと笑い小声であからさまに痛みを堪えてるのバレバレだよ。っと囁いた鳶色の男に苛立ちを覚える。


「暴力でなら、もう少し痣とか派手に出てるしねー。そもそもこんなとこ出れないし。まぁ、そっちでも同じだけど(笑)君って見た目に寄らずタフだねー。」


1人でペラペラしゃべり続ける男に斎藤は眉間に皺を作りつつも無言で作業を続ける。それでも男は気にした風もなくしゃべり続ける。



「僕、3ヶ月に賭けてるから頑張ってね♪」


□□□□


No.23は1人独房の壁に寄り掛かりながら、目を伏せていた。特段独房でやることもない身としては退屈でしかない。だが、今回の羊の事を考えるとにっと口角が上がるのを感じる。今朝方まで散々痛めつけるように抱いた後、気上にも痛みを堪えながら軽作業へ向かったNo.249を考えると愉快でしかない。今までの羊の中でも中々暴力や凌辱に屈することの無かった奴らがいないでもないが、それでも怯えを滲ませていた。まぁ、奴も怯えがない訳でもないが、それでも睨みつけてきたあの藍の瞳は気に入った。

あれが、快楽にとろりと蕩ける様が見たい。それを考えると楽しみで勃起しそうだ。
くつくつと1人笑うとNo.23は、羊の帰りを待つのだった。



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