destiny【24】
ちょこんとソファに座り困惑している様子の斎藤は服装もあってか幼く見えて可愛らしい。土方はコホンと咳払いをすると向かいのソファに座る。
「あのな、斎藤。」
「はい。」
ことりと首を傾げる斎藤に少しばかり躊躇いもわくが、やはり好きだと思う気持ちが強まる。
「好きだ。」
「は…え?」
驚きに目を見張り信じられない様子で瞬く斎藤に苦笑すると、土方はさらに言葉を続けた。
「本当はもう少し待つべきかとも思ったんだが、その間にカッさらわれるのも嫌だしな。お前がΩであることを受け入れ切れてないのは知ってるから、無理にとは言わねぇ。ただ、俺はお前が好きだ。番になってほしいと思ってる。」
ぱちくりという表現が聞こえてきそうな程、唖然としている斎藤に『やっぱり早まったかも知れねぇな』と苦笑していると、ゆるやかに斎藤の口が開いた。
「あの……俺で良いんでしょうか?」
まだ信じられないような夢を見ているかのような様子の斎藤の頭をポンッと撫でると「良いんでしょうかって、俺がお前を好きなのに良いも悪いもねぇたろ」と笑ってみせた。すると、じわじわと斎藤の顔が赤くなりソワソワと落ち着かなくなった。
「あの…俺も…土方先生のこと…好きです…」
顔を赤くしながら、精一杯っという様子で答えを返してくれた斎藤に、土方は喜びでぎゅっと抱き締めた。
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