destiny【21】

「あ〜、マジで柄にねぇことした。っーか、これで進展すんのか?」


気だるげに椅子に持たれがこがこと揺れながら呟く不知火に、原田は苦笑しながら「もし進展せずに終わったら土方さんのことヘタレと呼んでいいからな。風間辺りに云われたら堪えるだろうなー」と乾いた笑いと共に告げた。


「…」


その原田の言葉に今までどれだけ焦れったさを抑えていたのかが伝わってきて何とも言えない気分を味わった不知火だった。




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ハロウィンイベントまでに斎藤に告白するように脅され…説得された土方だったが、どうしたものかと頭を悩ませていた。別に告白は構わないが、それで斎藤がショックを受けないかそれが心配だった。


いつまでもズルズルと今のままでいるつもりはないが、少し性急すぎやしませんかね、原田さん。


深く溜め息をついた土方は、迫り来るハロウィンにカレンダーを睨み付けた。



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『迷惑だって決めるのはお前じゃないだろ』


その言葉がぐるぐると回り、斎藤の心に迷いが生まれていた。確かに彼の言う通りだと思う。迷惑かどうかは相手が決めることで、自分じゃない。ただソレを理由にして自分が逃げているだけなのだと分からされた。


でも本当に告げてもいいものかと言うと、まだそこまでの勇気はでない。


「…でも、あの人を理由に逃げるのは止めよう。」




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