destiny【19】

「土方さん!ちょっと話があるんだがいいか?」


と、妙な迫力と威圧感を漂わせた原田に応接室に呼び出された土方は、「いい加減焦れったくてたまんねぇから、さっさと斎藤に告って番になってしまえ」と言われポカンと原田を見つめた。



「教師だ生徒だなんて、番には関係ねぇし公言しなきゃいい話だろ。あんたがΩにいい感情持ってねぇのは知ってるけど、斎藤のこと好きなんだろ。だったら、とっとと告白して番にしてしまえ」


「いや、原田…ちょっと落ち着け」


鬼気迫る原田に押されながら何事だと考えるが答えが見つからない。


「あんたが、そうやってグダグダしてる間に斎藤が他の奴に持ってかれたらどうすんだよ!!いいから、さっさと告白してヤっちまえ!」


「いや、だから…襲われかけたりしてΩであること
受け入れ切れてねぇのに、告白しても斎藤が困るだけだろ?」


時期が早すぎるという土方を原田は呆れたように見遣ると「そんなの一生かかるわ!」と切り捨てた。



「…一週間後、ハロウィンのイベントがあるよな。そこで告白すること!!でなきゃ、土方さんのこと…ヘタレ認定してやるからな。」



「は、おい!」



言いたいだけ言うと反論も聞かずに原田は応接室を出て行った。ピシャリと立てられた音が原田の本気を伝えてるようだった。






「あ、いたいた。ちょっと話いいか?風紀委員さんよ」


にやりと笑う気崩した制服を着た不知火に声をかけられ、斎藤はピクリと眉を潜めた。



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