destiny【17】

『可愛いな』


ふと頭の中に蘇った土方の声に斎藤はボッとあからさまに赤くなった顔を隠すように自室の愛用の机に突っ伏した。


(あ、あれはただ聞き分けのいい生徒って意味で…他意はないんだ…)


そう勘違いしてはいけないと言い聞かせるように何度も同じ事を考え熱を冷ますのだが、あまり効果はないようで…。


「はぁ…」


ダメだと思っても、やっぱり好きという気持ちは消せなくて…。少しばかり落ち込みながら、顔を上げると少しばかりくしゃりとなったノートが目に入り慌てて伸ばす。



(どうしよう…)




□□□□□□□



「どうしたらって…告白したらいいんじゃねぇか。運命の番なんだろ。」


相手の事は伏せて原田に相談すれば、あっさりと言われてしまい斎藤は困ったように俯いた。


「でも…ご迷惑をおかけするわけには…」


「何で迷惑って決め付けるんだよ。そもそも運命の番なら相手にとってもそうだろうが。」


「でも…」



「無理にとは言わねぇが…後悔しないようにな」


ポンポンと肩を叩き笑う原田を見上げ、斎藤はコクリと頷いた。


(土方さんも斎藤相手なら問題ねぇだろ)


原田は内心おかしそうに笑うと斎藤の頭をくしゃりと撫でた。




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