destiny【15】

何だか今日は少しダルいなと思いながら、ふとカレンダーを見て「あっ」と声をあげた。初めてのヒートが来てから早いものでそろそろ三ヶ月…つまり次のヒートの周期が訪れる頃だ。



「一?起きてるの?」


ドアの向こうから母の声が聞こえてきて、ハッと我に返ると返事を返し慌てて部屋を出ると、母に体調のことを話してみた。


「あらぁ、もうそんなに経つのねぇ。お薬はあるわね?学校には連絡しておくから、お休みしなさい。」


「うん。」


おっとりと笑顔の母の言葉に大人しく頷くと顔を洗いに洗面所へと向かった。



□□□□□


「やっぱ斎藤いないと、今一締まらねぇよなぁ」


朝の遅刻者の数に頭を抱える土方に原田が苦笑混じりに言った。


「斎藤がいないと、何とか見逃してもらおうと言い訳を募るし、風紀委員もそれに押されそうになるし…一人が居ないだけでコレはひでぇだろ」


呆れたように溜め息を付きつつボヤく土方に「普通のやつに、総司や風間の相手は厳しいだろうよ」と苦笑しつつ言う。


「そうだよ、問題はアイツらなんだよなぁ…」


がくりと項垂れると土方に原田は労るように肩を叩いた。



「しかし、斎藤は大丈夫かねぇ」


「あ?」


ポツリと呟かれた原田の言葉に土方は顔を上げると「…そんなに辛いものなのか」と躊躇いがちに訪ねた。



「辛いなんてもんじゃねぇよ。いっそ殺して欲しい、誰でもいいから抱いて楽にして欲しいとか、普段なら絶対思わないことを思うくらいには理性もなにも無くなる。」


「……」


「それを一人で耐えるのって、辛いなんてもんじゃねぇよ」


ふっと悲しげな顔を一瞬浮かべると、「アイツにも早く番が見つかればいいんだけどなぁ。斎藤次第だな、それも」と原田は苦笑した。



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