最近、僕のクラスに転校生が来た。転校生なんて、あんまりないからクラスの皆は興味津々で、休み時間の度に話しかけてた。
その子は大人しい子みたいで、話しかけられれば律儀に返すけど自分からはあまり話しかけたりしてなかった。
クラスの子達も暫くすると落ち着いてきて、無駄に話しかけるのを辞めたみたいだ。すると、その子…斎藤くんは、自分の席で本を読んでた。
僕は苦手なタイプだなぁと思った。真面目な子って何話していいか分かんないし、冗談言っても本気にされて怒ってくるし、基本的に合わないんだ。
だから、あまり関わらないようにしてたんだけど、そしたらちょっと困ったことになっちゃった。
良く話す子に「そうじは、はじめくんのことキライなの？」って聞かれたんだよね。僕は大抵の子とは話すし遊ぶ、まぁ…クラスの中心的な部分にいるかなとは自覚してたよ。だから、そんな僕が斎藤くんには関わらないようにしているのが疑問だったみたい。
僕はただ軽い気持ちで「キライじゃないけど…ちょっと苦手かな。」って答えたんだ。だって、誰にでもあることでしょ？あ、この人自分とは合わないなって感じること。だから、それで納得してくれると思ったんだ。でも、そしたら何故かクラスの子達は斎藤くんを無視するようになった。斎藤くんが、話しかけても聞こえなかったふり…僕は気づいた時、すごく驚いた。
何でって聞いたら、「苦手だから」って。違うじゃん。ついこの間までは、良く話しかけてたじゃない。遊びに誘ってたじゃない。もしかして、僕が苦手だって言ったから？何で？おかしいよ。
慌てて「僕が苦手だっていったせいなら、それはおかしいよ。」って言ったんだ。「斎藤くんは、何もしてないよ。ただ僕が勝手に苦手だって思ってるだけだ。君達まで苦手だなんて思うことないんじゃない？」そう説得したけど聞いてくれなくて、それで気づいた。
ああ…この子達は遊んでるんだ。
って。
何が面白いのか分からないけど。
斎藤くん自身は、元々話すようなタイプじゃなかったから気にしてないのか本を読んでる。たまに聞きたいことがでた時は、先生に聞いてるみたいで特に困ったりしてる様子はないけど。
僕の何の気なしに言った言葉のせいで、と思うと悪いなぁと思うんだけど…休み時間は他の子が話しかけてきて抜け出せないし、放課後は斎藤くんすぐ帰っちゃうし、謝るタイミングが掴めない。どうすればいいんだろう。
近藤さんには、話しづらいし
何て考えてたら、あの人のいる高校の門の前に立ってた。
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