赦せないこともある後篇
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「ハンジさん、お疲れさまです!」


にこりと笑ってハンジに駆け寄るエレンを遠くから見かけたリヴァイは、ズキリと痛みが走る胸を押さえ足早にその場を去った。



あれ以来、エレンとはあまり会わなくなった。訓練で会う時は、エレンは強張った表情でリヴァイの顔を見ようとはしない。
それがとても、辛かった。



『兵長!おはようございます!今日はとても良い天気ですね!』


『今日、裏庭に綺麗な花を見つけたんです!もし、お時間があったら一緒に見に行きませんか?』



『兵長、好きです。』



リヴァイの姿を見付ければ真っ先に駆け寄り、無邪気な笑顔を浮かべていたエレンはもういなかった。
リヴァイには、もうエレンから笑顔を向けて貰うことはないのだろう。その事実はリヴァイを予想以上に打ちのめした。


好きだった。


あの子供らしい純粋な笑顔が


巨人を駆逐してやると狂気を含ませた瞳も、普段のころころと変わる大きな幼い瞳も愛しかった。



エルヴィンからエレンの好意を利用し兵団に繋ぎ止めるように命じられた時は、面倒だとしか思っていなかった。それなのに次第にエレンといるのが心地よく胸が高鳴った。そしてエルヴィンに対する罪悪感、エレンといると感じる幸せ…2つの気持ちに挟まれ、意地を張り続けた。



そのせいで失ったものは何よりも大きかった。





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「え、れん…」



リヴァイは目の前の光景を信じられない思いで見つめる。ぽっかりと開いた翡翠の瞳は濁りぼんやりと空を見ている。唇は青ざめ薄く開いたままだ。いつもは健康的な色をしたまろい頬は不気味なくらいに血の気が引き白くなっている。そして、何故かエレンの周りは赤く染まっていた。



ナゼエレンハチヲナガシテタオレテイル



ハンジやアッカーマン達がエレンの体にすがり泣きわめいている。



「…何故…」


エレンは死んだ



オレヲカバッテ



再生も出来ないほどの怪我をしたエレンは、あっさりと息を引き取った。

っーと静かに白い頬に涙を流したリヴァイは崩れ落ちるように膝を着き呆然とエレンを見つめていた。



「なんで…俺を庇った…」


その答えを与えてくれるものは、もういない。






おわり


この後現代に転生

エレンとハンジは姉弟。お互いシスコン、ブラコン。
兵長と団長がエレンに謝りたくて会いたがってもハンジが、「ふざけんな」ってガードする。エレンは記憶ないけど、15才になった辺りから前世の夢を見て精神が不安定。そこから、どうやって兵長はエレンに謝罪し愛を伝えるのか。

実は何度も転生してて、ハンジとリヴァイ、エルヴィンは全部の記憶を持ってるけど、エレンは無かったりもする。ただ、共通してるのはリヴァイとエルヴィンの記憶はない。存在としていたという認識はしてても、個としては覚えていない。
ただエレンは二人に会うと過呼吸を起こすなどの拒絶反応を過去に何度かしている。



エレリ、リヴァエレにしたいけどハンエレ色が強い




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リゼ