虹の先【2】


まだ梅雨入り前だというのに、汗ばむ事も多くなったとはいえ、やはり夕方になれば肌寒さを感じる。


「きょーはね、あいちゃんとー、ちひろくんとブランコで遊んだの!ちひろくんはね、すごいんだよ!すーごくたかくまでブランコこいだの!」


一と手を繋ぎながらぴょんぴょんと飛び跳ね、楽しそうに今日の出来事を話す千鶴に、くすりと笑いながら「そうか。千鶴はどうなんだ。」と穏やかに言葉を返す。


千鶴はこれくらーいとジャンプしてみせると、えへへと笑いながら一に擦り寄る。


「ん?どうした?」


微笑み千鶴の顔を覗き込むと、照れたようにモジモジとしながら「はじめちゃん、もう、ちづるのおかーさんだよね。ずっといっしょにいてくれるよね?」と、キラキラした目で一を見つめた。



「…ああ。きちんとした母親になれるように努力するつもりだ。」

何だか改めて、よろしくというのも気恥ずかしくて言葉が堅くなる。


「わぁぃ!おかーさんだぁv」


嬉しそうに笑いながら、ぎゅーっと抱き着いてくる千鶴に、頬を赤く染めながらぎゅっと抱き返し微笑んだ。





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