【18】

『仲がよろしいのは結構でいらっしゃいますけど、せめて共を付けて下さいませ!』


というタエの懇願を聞き流し下がらせた一は、既に寝巻に着替えた一は蝋燭の明かりを頼りに兄からの手紙を読んでいた。


書かれている事は、軽い国と兄の近況、そして自分を心配している内容が綴られていた。


「兄様……」



ふっと顔を綻ばし笑みを浮かべると、後ろに人の気配を感じ振り返ると歳三が立っていた。



「…失礼いたしました。」


さっと手紙をしまうと頭を下げる。


「国元からか。」



「はい…兄から、上手くやっているかと心配の手紙を頂きました。」


薄く微笑むと、「兄というのは、どなたも心配性なんでしょうか。」とからかうように告げる。


「…妹には甘くなるんだろうよ。」

くっと笑みを浮かべた歳三に、一は少しばかり驚いた後、くすりと笑った。



「では…妻にはどうなのです?」



にこりと笑い問う一に、歳三は眉を寄せると顔を背ける。



「……大事にするさ。」


無愛想に言われた言葉に、一ははにかんだ笑みを浮かべ、そっと歳三に抱き着いた。


「な………」



「…はしたない真似だと分かっております。ですが、こうでもしないと私の覚悟が伝わらない気がして…。私は貴女の嫁です。ですが私はまだ…」



そこまで言って、ぎゅっと歳三に抱きしめられ思わず口を言葉を止める。



「…いいんだな。」



ただそれだけ告げられ、一はきゅっと歳三の背中を掴むと頷いた。



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