1551-1560
傾斜する夜
鋼鉄の雨
記憶に残る言葉
誰もが素知らぬ顔で通り過ぎて逝く
会う瀬と別れ
大方は侵略の血で汚れ
鮮やかな夜空の星
不自由のうちに自由を見いだす
其れはまるで硝子破片如き
この悲しみの空にひとつの唄を
1561-1570
雨は紡ぐ、灰色の詞を
裁き、月に寄す
禁忌を犯した。この罪を背負ったまま生きて逝く
虚栄の孔雀
僕はその背を追い続けただろうに
蒼穹と向き合う
白い風
君幻影
復葬の時はまだやって来ない
黄昏の影に手を伸ばし、
1571-1580
哀れな者に罪を
別の選択肢は無かったのか
空が嗤っている
隠す為のメッセージ
そう、きっと愛されたかったんだ
形の成せぬものがきっと崩れてしまうから
不可能な夢
地図無き旅を始めた
君の笑顔を捜してる
風の中に 鳥の囀りの中に 流れ行く水音の中に あなたの声を聞いた
1581-1590
「ただいま」「おかえり」当たり前の事が幸せに感じる
一重桜が風に散る
世界のあるがままの全てを
不変を誰も教えてくれない
芽ぐむものの気配を覚ゆ
朱を奪う
柔らかく絡むもの程 解きにくい
見慣れた景色の中に
遠くの背中
容赦無く吹き付ける現実と世界
1591-1600
肩にある重みが愛おしい
幸せは数珠繋ぎ
失せし希望
何方が正しいかなんて愚問だ
ただ音も無く降り積もる雪の重さ
白い螺旋
砂上に書かれた文字(嗚呼、崩れゆく)
愛を告げる幾十の言葉
無数の煌めき、それは
壊れ、た世界 の、こわれタた、