無邪気と邪気のささいな違い


「ツナ」


「おかえり、山本。どうだった?」


「あぁ、任務はいつも通りって感じだな。」


「任務は、っていうと?」


「さっき門の前に小僧がいてさ。」


リボーンが?なんて言わなくても違う小僧だという事は容易に分かった。


「そう。何か不審な部分は」


「特にはないが…ただ、何か引っかかるんだよな。」


「じゃぁ気をつけないとね。山本の勘は当たるから。」


オレも例外じゃなくざわめきを感じている。見えない渦に巻き込まれそうなそんな予感がするんだ。

「その子はひとりでここまで来たの?」


「そうみたいだな。だが少ししたら親父登場、ってな。」


お父さんが迎えに来たのか。


「迷子を探していたにしても、タイミングが良すぎなんじゃないかな。」


「あぁ。

うちの小僧にもさっき会ったが深入りするなって言われちまった。」


リボーンは何か知っているのか?山本にそう忠告するってことは、マズイ事になる可能性がある。


「何も起こらないといいけど。」

―――――


「ねぇ!雨のお兄ちゃんにバレちゃったかもよ?」


「時に完璧すぎるのもあだになるからな。」


「だってだって、ちゃんとやらないとダメだって言われたもん。」

だって、で片付けられない事もあるんだぜ?まぁ、お前のことだから承知の上だろうけど。


「ったく。可愛く言ってもムダ。
お前の無邪気に無は必要ねぇと思うんだけど。オレの気のせいか?」


気のせいじゃないって

「分かってるのに聞かなくてもいいじゃん。」


ボクは何も知らない子どもじゃないんだよ?だから、子どもらしさなんて捨ててきちゃった。


「はいよ。まったく…」


こういう意地っ張りなところはまだまだなんだよな。本人自覚ねぇみたいだけど。
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