※恋バナ(お話長め)

江ノ島「というわけで女子の諸君には集まってもらった」

朝日奈「え?どういう訳?」

腐川「と、突然集めて何する気よ……!まさか皆で私を罵りに来たの!?」

江ノ島「そんな訳ないじゃん!いやね、一年近く一緒にいるのに中々女の子っぽい話したことないじゃん、だからそーいう話してみたいなって思って」

不二咲「それって……恋バナ……とか?」

江ノ島「まぁそんな感じ?」

不二咲「……江ノ島さんボク男だって前に言ったよね……?」

江ノ島「まだスカート穿いてるから女子枠で」

不二咲「そ、そんなぁ〜」

戦刃「盾子、そういう話出来る子がいない気がするんだけど」

江ノ島「残姉ちゃんがそうだからそう見えちゃうんじゃないの?」

戦刃「確かにそうだけど……皆顔色が良くないように、私には見えるんだけど」
江ノ島「えー?そんなことな……本当だ」

腐川「ふ、ふふ……人を青くさせる程度のこ、恋バナならあるけど?」

江ノ島「今回はそんな話を聞きに来た訳じゃないの!皆のキャピキャピっとした恋のお話を聞く会……なんだけどさぁ……マジでないの?アタシ達キャピキャピの現役女子高校生なのに?」

舞園「私はアイドルという職業に恋してるって……感じですからね」

江ノ島「いや舞園は色々あるでしょ?」

舞園「ないです」

江ノ島「そんなにこやかにないです☆って……実際は」

舞園「な い で す」

江ノ島「お姉ちゃん舞園が怖いよぅ」

戦刃「よしよし」

江ノ島「ありがとうお姉ちゃん……朝日奈アンタなんかないの?」

朝日奈「え!?私!?私は……えへへ、無い……です」

江ノ島「そのトーンは本当っぽいね」

朝日奈「彼氏欲しいとか恋したいとか思ってるけど全然でさ……何でかな?」

江ノ島「ドーナツドーナツうるさいからじゃね?」

朝日奈「ガーン」

江ノ島「えーじゃあ……霧切!!恋バナある?」

霧切「ないわね、私は探偵一筋だし。そもそも恋というものが分からないわ」

舞園「そうですね、恋っていうのはある人を見たらドキドキしてしまうとか……その人のことを考えてしまうとか、そんな感じですかね」

江ノ島「やっぱり恋して」

舞園「な い」

江ノ島「お姉ちゃああぁぁん」

霧切「そうね……そういう体験ならあるかも」

江ノ島「マジで!」

霧切「ある事件の依頼でイギリスに行ったときの話なんだけど……」

朝日奈「イギリスって聞くだけでも頭のいい感じがするよね……イギリスってなんだっけ?」

大神「国だ……朝日奈よ……」

霧切「そこである一人の青年に出会ったの。目鼻立ちもくっきりして、サラサラの金髪に綺麗な青い瞳の……そう、いわゆるイケメン、だったわ。私その人見てたらドキドキしちゃって……そしたら向こうも近付いてきたの」

江ノ島「ようやく恋バナらしくなってきたね……」

セレス「あら……羨ましいですわ……卒業したら向こうに行こうかしら」

不二咲(……なんでボクはここにいるんだろう)

霧切「近付いてきた彼の手には血に濡れたナイフが握られていて、私は刺される前にそれをかわしたわ」

江ノ島「って恋バナじゃねえぇぇ!!」

セレス「……」

朝日奈「ドキドキって違うドキドキだったんだね!」

舞園「恋バナだと思ってドキドキしてたんですが……霧切さんわざとですね?」

霧切「バレた?ごめんなさいね、今まで恋なんてしてこなかったからこういう話しか出来ないの……こういう話なら沢山あるけど」

江ノ島「はい次セレスさーん」

セレス「わたくしですか?一応何度か殿方とお付き合いさせていただきましたが、江ノ島さんが望むような甘い展開になる前に別れてしまいましたから……」

江ノ島「なんでよー」

セレス「一日のデートに何百万も使わせたからでしょうか……?もしくは、デートのはじめにするギャンブルで破産させてしまったせいでしょうか……?フフ、今となっては確かめられませんわね」

江ノ島「それしかねーだろっ!!」

霧切「デートってそんなに過酷なものなのね……」

舞園「わざとですね」

霧切「あら?……バレた?」

江ノ島「コントをすんな!えー……じゃあ不二咲!!」

不二咲「え!?な、ないよ!ボクそんな話持ってない……恋とか、したことないし……」

江ノ島「でも告られたくらいならあるでしょー?女の格好してたんだからさぁ」

不二咲「う、うぅ……あ、あるけどぉ……」

ジェノ「キタコレ、この話を待っていたわぁ!!」

朝日奈「うわっ、いつの間に!?」

不二咲「全部丁重にお断りしたよ!だってボク……男、だし……男なんて興味ないよぅ……だからジェノサイダーが聞きたいような話もないよ……」

ジェノ「ちぇ、なーんだつっまんねぇの!……じゃあちーたん切り刻んでもいいかしらぁん?」

不二咲「え、えぇ!?」

ジェノ「!…クシュン……はっ!」

不二咲「よ、良かった元に戻って……」


朝日奈「あ!今思い出したんだけど、さくらちゃんって彼氏いなかったっけ?」

江ノ島「え!?うっそ、マジ!?」

大神「落ち着け……我に彼氏などいない……朝日奈よ……好敵手と間違えておらぬか?」

朝日奈「あれ?そうだったっけ……?」

大神「確かにケンイチロウは我の初恋の相手だ……しかしそのような仲ではない……」

江ノ島「意外ねー、大神にもそんな乙女心があったとは……相手はどんな感じなの?」

大神「世界で一番強い男だ……」

大神「……」

江ノ島「……え?それだけ?」

大神「……これがケンイチロウの写真だ……」

江ノ島「超イケメンじゃん!!」

舞園「芸能界にいてもおかしくない顔立ちですね」

セレス「まぁ、これは予想以上ですわね……」

不二咲「……男らしい人だね……いいなぁ」

腐川「びゃ、白夜様の方がカッコイイわよ……」


大神「ケンイチロウと闘っているときいつも胸の高鳴る……その高鳴りはケンイチロウと闘うときだけのもの……これを恋と呼ばずになんと呼ぶ……」

大神「わ、我に語れるのはこの位だ……」

朝日奈「さくらちゃん顔真っ赤〜、可愛い!」

江ノ島「一番無縁だと思ってた奴が一番リア充に近かいとは……」

腐川「きぃ〜!!む、虫ずが走るわ!」

霧切「こういう話を聞くと恋というものをしてみたくなるわね……」

舞園「えぇ、そうですね……」

セレス「で、江ノ島さんはどうなんですの?まさか自分からふっておいて自分だけ話さないというのはないですわよね?」

江ノ島「あ?……あぁそうだよね、話さないとねー……一応好きな人はいるよ」

(アンタ達のことだけど)

江ノ島「今はアピってる最中で、いい感じになったらコクるつもりなんだ」

(私が絶望でしたって)

江ノ島「それで、絶っっっ対にオトしてやるんだ!」

(皆を絶望に染めるんだ)

戦刃「私も盾子と同じような感じ……頑張ってる最中なの」

(ね、盾子)
(ね、お姉ちゃん)

江ノ島「だから……良かったら応援して」

(絶望計画が上手くいきますようにって)

江ノ島「ね?」








おまけ

腐川「小学校三年生くらいの話よ……。好きな男の子がいて授業中その子のことを思いながらポエムをノートに綴ってたの……そ、そしたらそれが当時私のことをいじめてた奴らに見つかってクラス中に晒されたわ……そのせいで好きだった男の子には嫌われ、ノートに触った奴は腐川菌が付くぞ〜って菌の付けあいになったことがあったわ……」

「「「「「「…………」」」」」」

セレス「どひゃ〜」


[*前へ] [#次へ]

戻る
リゼ