無数に並び立つだらし無い空き缶が
琥珀色の空に空虚な目を向ける
巨大ロボットが踏み潰した今日
卑猥な手つきで明日を探す

鉄分不足の白い闇
焼き付けられたデータをなぞる指先
こんな夕日はあからさますぎる
火の点かない煙草に幻滅した日暮れ

スローモーションで倒れる十人
無音で無限の刹那的ストライク
殺人技術は高等技術
夢見る幼き少年を撃つ

焦げついた思い出を抱いて
雑草生い茂る墓場に埋めたら
もう新しい朝日が照らす
そこは楽園にとってかわった

奇妙なパレードを見つめる百の瞳は
かつての惨事を忘れ果て
こぞって怠惰に溺れたがる
あの日祈った神などなかったことにして

捨てられた森はいつか
文明を飲み込む波となり
朽ちた亡者の手が誘う
地獄の入口を知っている

あまねく亡霊は祈りを忘れず
生ける屍に慈愛を注ぐ
見返りの望めない永遠の刹那を
連ねては嘆く 優しい声で

開きかけた掌はまだ
触れることすら許さない
ブルーグレイの空に放った鳥たちの
賛美歌をかき消したのはその拒絶





091006


あきゅろす。
リゼ