弟子時代の苦労話
2010.01.28 Thu 16:18
研究室に戻って、誰がいつ持ち込んだのかもわからない毛布にくるまった。
「んー…きもちいー」
毛布は暖かくて、心地好くて、気持ちよい。
弟子仲間がまたか、という表情で私を見たが、気にしない。
だって本当に、暖かいのだから
「実験始めねェのか?」
眼帯男が私を起こそうとしたが、私は「あとで」と答えてより一層丸くなった。
「いい加減にしろっ」
モミアゲが毛布を引っ張った。が、私も負けじと毛布を引っ張りかえす。
ふん、力で私に勝てると思ったか!
ふふんと鼻で笑ったら、モミアゲが殴ろうとしたのを弟子仲間で一番小さいのと大きいのがが抑えた。
「放せっ」
「敵うわけないでしょう」
「…諦めろ」
毛布でぬくぬくしていると、金髪が私に近寄ってきた。
「…実験手伝ってくれたら、海塩アイスあげますよ」
海塩アイス!
その言葉に私はパッと飛び起き、白衣を羽織った。
「よくやったな」
「子供は物で釣るのが一番ですよ」
「ようやく実験始められるってハナシ」
「まったく、彼には困ったものです」
「…同感だ」
「みんなー、早く実験やろう!」
「「「「「はぁ…」」」」」
end
昔書いたものです。皆苦労したんだねってハナシでした
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