設定はかしわ様から借りました。
エドワードさんちょっと変態かも←
不完全燃焼ですみませんかしわ様!こんなことになってしまいましたが、一応かしわ様に差し上げます。

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上着を脱いだって、ネクタイを外したって、そう暑さはしのげるものじゃない。それならこれはどうだ、と髪をいつもより上で纏めてみたがそれもほぼ無意味。うなじを伝う汗の量は変わらなかった。
田舎と言えども、特別背の高い木が多いわけではなく、どちらかと言うと田んぼが多い。しかも今はちょうどお昼時で、太陽も真上に昇っている。つまり出来る影は小さいのだ。これ以上太陽からは逃れない。
そんな猛暑の中、駅から15分のところに先生の家はある。庭は広くて、敷地全体を緑で囲まれた一階建ての大きな家。

「あ、やっと見えた」

先生は庭に出ているんだろう。木の幹と幹の間から前と同じ淡い青色の着物の裾が見える。それから蛇のようにうねるホース。野菜に水をやっているようだ。

野菜…水やり…。ああ、嫌な事を思い出した。


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以前来た時も今と同じくらい暑かった。なのに先生は次の展覧会の予定を話す前に強引にも俺を水やりに誘ったんだ。誘ったというか、手伝わせたに近いかもしれない。そして熱い熱いと唸りながら水をまく俺に先生はこう言ってきた。

「それじゃあ、小さくなった私の服、着るかい?」

服というのはもちろん着物の事で、今着ているスーツよりは涼しいということは分かる。でも普段めったに着ない物を着るという抵抗感と、先生の古着を先生の前で着るという、その事だけでつい

「いや、いいです」

と断ってしまった。その時だけの恥ずかしさのおかげで、俺のシャツは汗びっしょびしょ。先生には透け透けだとからかわれた。でも本当に気をつけないと乳首が見えるんじゃないかってぐらいで、早く帰りたいとばかり願っていた。


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今回は絶対に無駄な汗はかかない。と、決めていた。なのに…



「大丈夫か?」

頭上から聞こえる半分笑いを含んだ声。団扇から流れてくる穏やかな風に前髪が揺れた。そして首の裏には先生の膝の温もり。首の裏…

「、わぁああ!」

そうだ、俺はアブに刺された首の裏を先生にちゅうと吸われて体温が上がって倒れてしまったんだ。ああああ恥ずかしい。

「あ、こら、また倒れるぞ」

起き上がろうとしたが中々力が入らず再び膝の上へ戻された。見つめられるその視線、瞳にどうすればいいのか分からず、目を閉じようと考えたが、やっぱり先生の目の前で目をつむるのも恥ずかしい。右を向こうとしたがそこには先生の股があって、たった一つの逃げ口、左を向いた。
と、そこには来たとき外した俺のネクタイと上着が。そしてあるはずのないズボンとシャツが綺麗に畳んで置いてあった。
それを頭の中で整理するのにかかった時間は約5秒。自分の体に視界を変えれば、そこには淡い、橙色の着物。

「え、ええ!」

「どうだ、涼しいだろう?」

楽しそうな、嬉しそうな笑顔に嫌だなんて言えるわけもなく、ただハイ、と短く答える。
結局首筋には前よりもいやーな汗をかく羽目になってしまった。
もう一度顔を左に向け、脱がされたシャツやタンクトップ達を見る。脱がされた、ということは、つまりパンツの下以外は全て見られたというわけで、考えただけで顔から火が出そうだ。

「よくあんな恰好で我慢してたな。脱がすのも一苦ろ…」

「わーあ!言わないでくださいよっ」

ちょうど頭の中に俺の服を脱がしていく先生の姿が浮かぶ。何なんだもう。

「はいはい。にしても、似合うな。君」

「へ…」

とっておいて正解だった。と先生は笑うが、今の俺はそれどころではない。
『似合うな』
この一言を放った時の表情、心臓のきゅ、となった感覚、声のトーン。その瞬間がループする。体温がまた一つ上がったのが分かった。

もしかしたら、またするのかな。

この前味わった先生の熱がすぐ傍にある。スーツは脱がしにくい。着物は脱がしやすい。俺はいま着物。きっと、優しく誘われたら断れないんだろうな。

なんて馬鹿なことばっかり浮かんでくる。熱のせいでどうかしてるんだ俺。

「エドワード」

「はい?…んっ…、」

ああ、どうしてこうも思ったとおりの事ばかりするの先生。先生実は人の心が読めるんじゃないの。疑ってしまう。こんな人が本当に世界で有名な画家なのか。そしてそいつはホモなのか。俺は逃げることにした。そうだ俺はホモだ悪かったな。と。

「ん…布団敷こうか」

立ち上がり、押し入れから敷布団と枕を一つ出して敷き始めた。掛け布団は夏用の軽くて薄いやつ。団扇でおいでと手招きされて、立つのが面倒だから膝と手をついて布団まで歩いた。
赤いであろう顔ができるだけ見られないように意味のない気を張りながら、枕に頭を載せる。仰向きに横になった俺の体に布団と一緒に被さってきた先生。
真夏の情事は接吻から始まった。



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以心伝心的ロイエド…?まっすぐ逆らうことなく流されるエドワード。夏の暑さのせいです。
あ、マスタング画家です!(今更
和服マスタングのキスってキス<接吻ですよね←
カタカナが似合わない笑。

いつか本番を書きたいな!エドワードのネクタイを見てどう遊ぶか考える先生とかにやにや←

リゼ