タイトルは好奇心。
神のみぞ知る世界parody
ロイ(桂馬)←←←←←←←←←エド(エルシィ)
馬鹿エドワドですよー皆さん。
※紙のみぞryを知らない方のためにプチ解説。地獄から抜け出した悪人の霊魂『駆け魂』は、人の心の隙間を隠れ家にしている→隙間が埋まると出てくる。エドワードは駆け魂を捕まえるため、地獄から駆け魂隊としてやってきた。ロイはギャルゲ大好き！落とせないヒロインはいない！通称『落とし神』。二人は契約をし(エドワードが無理やり)、駆け魂を集めるために次々と女性を攻略していく…！
おおよそこんなものです。
※高校生のロイに、自分を「私」とは呼ばせられなかったです、えへへ。
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俺が初めてこっちの世界で買ったノートとペン。起こった出来事とか、捕まえた
駆け魂についてとか、あと…俺のバディーについてとか。そういうのを毎日の終
わりに書いている。日記というやつだ。
今もこうして寝る前に一日を思い出して筆を進めていく。かっこいいロイ兄様を
復習できるからこの時間が大好きだ。今日も兄様の攻略は完璧だった。本日のポ
イントは
『物言わぬ文系女子の女心肝臓診るがごとくなり』
よく分からなかったが、外側に変化が現れないイコール内側も静かとは限らない
ということらしい。裏で大きな変化が起こってるかもしれない、と。
でもいいなぁ。あの図書室の娘。二人きりで本に埋もれて、ロイ兄様にぐいと腕
を引っ張られて、それで、それで……
兄様の攻略方法は、恋愛で相手の心の隙間を埋めて、駆け魂を追い出すこと。落
とし神と呼ばれるその力は本当で、疑う余地もない。
とりあえず兄様の自慢をたくさん書いておいた。
明日も早いからこの辺で寝よう。ベットに潜り込んで、少し重たくなってきてた
瞼を閉じた。
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「おはようございます兄様！」
「おはよう」
味噌汁を温めていると兄様が制服に着替えて降りてきた。俺のテンションは朝か
らマックスに近い。今日こそおいしいと言わせてやる。
「はい、兄様。俺が朝ごはん作ってやったぞ！」
「…エドワードこれは……」
「今日は人間界で一般的に食べられる朝ごはんをベースに、地獄のとれたての食
材をふんだんに使ったんだ」
三途の川で釣れた魚や、霊魂の里で育てられた野菜、卵はもちろん六つ目竜の卵
を使ってるから、味の保障はバッチリだ。取り寄せるのは大変だったけど、ロイ
兄様のハートを掴むにはこれくらいの根気は必要だ。
「た…食べれるのか？これ」
「当たり前だろ！ほら、早く食べないと遅刻すっぞ、兄様」
「遅刻どころか欠席になりかねんだろう、これは！駄目だこんなもの人間の食べ
れる物じゃない」
「っううー…！」
ああ…今日も駄目だった。見た目がいけないのかな？ヒキガエルの目玉とか凄く
美味しいけど、そういえば人間の料理の本とかでは目玉は全然出てこない。よし
、次はもっと見た目にも気を配らなくちゃな。
あ！兄様に置いて行かれてしまう。俺も早く学校に行く支度しなければ。
「あっ兄様！これ弁当」
「な、なんだそれは！手が生えて…うわぁあ！」
お！お弁当は喜んでもらえたみたいだ。よかったあ。苦労して庭で育てたかいが
あった。人体系の種は人間界の土では鉄分が少なくて育てにくいんだ。
今日も駆け魂が見つかるといいなあ。早くたくさんの女の子を攻略して、駆け魂
を勾留して、そしたら、兄様との契約は無事に終わって、二人とも首を狩られず
に済む。少なくとも兄様はそれを望んでいるのだから、俺も頑張らなくちゃ。
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まだまだ冷たい冬の風が吹く中、二人で下校。兄様はずっとゲームをピコピコ。
画面を覗くと、可愛い女の子が頬を少し染めて「別にあんたのためじゃ…」とか
言っている。俺は毎日ロイ兄様のために頑張ってるのに、お前は１日も経たない
内に兄様とそんなに馴れ馴れしくしちゃってさ、本当嫌な奴だ。なんてゲームに
嫉妬したってしょうがないけどさ。俺にもロイ兄様みたい女の子を落とす力があ
れば…ん？違う違う！兄様は男だから男を落とす力でないと駄目じゃん。
「なぁ兄様」
「なんだ」
「俺、兄様を落としたいんだけど、攻略方法教えてよ。ねーねー」
「は？」
「兄様は落とし神だから、それに自分のことだし分かるだろ？お願ーい教えてよ
」
「お前はそういうことばっかりだな」
「え？」
どういうことだろう。兄様はゲームから顔を上げた。今までで初めて見る、不機
嫌で怖い顔。ぐいっと近寄ってきたロイ兄様に思わず胸が鳴ってしまいそうにな
る。
「俺がいつも簡単に現実相手に攻略してるとでも思っているのか？ギャルゲをし
たこともないような違う世界の奴らに、詐欺のようなメールで無理矢理契約させ
られて、現実とは一切無縁の俺に現実の女をゲームのように攻略してください、
でないと首が跳びますなんて脅しておいて…なのにお前は楽しそうに兄様兄様と
うっとうしくついて来るだけで、殆ど役に立ってないじゃないか。くだらない話
してくる暇があったら、自分で駆け魂を捕まえる方法とか勉強したらどうだ」
最後に大きく溜め息を吐いて、またゲーム画面に視線を戻し、一人で歩いて行っ
てしまった。
あんな風に怒られたのは初めてだ。今までで一番静かな声で、それでいて一番怒って
いた。
兄様が言っていたことは間違っていなかった。駆け魂を見つけても、そこからは
全部兄様がしてくれる。それが当たり前みたいになってたんだ。
冷え切った空気に目を覚まされる。俺は来た道を戻って、さっき兄様と寄ったゲ
ーム店に入った。
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「あー何て性格なんだこの女！」
布団に入り、暗闇の中一際眩しい液晶画面に向かって一生懸命頭を捻る。だけど
どうしても分からない。この女の言いたいことが。兄様は毎日こんな捻くれた女
を相手に生活しているのか。
「…頑張らなくちゃ」
兄様に頼ってばっかりの駆け魂集めではいけない。少しでも役に立てれるように
、いつかは自分で駆け魂を集めれるように頑張らなければ。
「っあーもう！」
「うるさいなぁ。何してるんだ？」
「！？」
ドアの向こうから兄様の声。
「…勉強」
「そんな大声を上げられたら隣の部屋に迷惑なんだが」
「……」
よく言うよ。兄様だってゲームしかしてないくせに。連日の駆け魂集めのせいで
溜まった新作ゲームの消化が忙しいのは知ってる。それが俺のせいだっていうの
は重々承知だ。だからこうやって頑張って勉強してるんじゃないか。
「入るぞ」
「え、あ、ちょっと待てよ！」
慌ててベットから飛び起きたけど、兄様は既に部屋の中に入っていた。
「何をやってるんだ…ああ、この娘か…これくらい落とすの簡単だろう。こんな
基本的なパターンなのに攻略できないのか。ふざけて俺の攻略方法を聞いてきた
お前とは思えんな」
腕を引っ張られてゲーム画面を除き込まれた。ずきずきと胸に刺さる言葉ばかり
を言われ、俯きぐっと唇を噛んだ。
「もうちょっとマシな方かと思っていたよ」
「だって！」
勝手に喉の奥が熱く痛くなってくる。駄目だ。泣くのだけはごめんだ。
「だって…俺は兄様とは違って、落とし神でもなんでもないし！それに、別に兄
様と同じ方法で駆け魂集めたいわけじゃない！俺は、ただ…」
「ただ、何？」
「っ、兄様に…見て、もらいたくて……本当は羨ましかったんだ、兄様が落とし
ていく女の子全員が……俺は男だし、可愛くも何ともないし、役にも立たない、
攻略は駆け魂集めるためだって分かってるだけど！だけど俺、ロイ兄様のこと誰
よりも好きだから…だからっ」
言ってしまったからにはしょうがない。ぼろぼろ零れてくる涙は全てロイ兄様の
せいにしてわんわん泣いてやった。左手の袖を引っ張って涙を拭って、右腕は捕
まれたままでいる。
一度、もし俺の心の隙間に駆け魂が入ったら、兄様は俺を落としてくれるのかな
、なんて考えたことがある。駆け魂隊として、悪魔として失格だ…と、すぐにそ
の考えは振るい払った。俺と兄様は契約者と協力者という関係でしかないし（学
校では兄弟だが）、それにどっちにしろ駆け魂は女にしか入らないし。
そっか。本当は羨ましかっただけなんだ。
しばらくすると、兄様がこの前のような大きな溜め息をついた。
「俺が女の子を落とすのに嫉妬してたのか。くだらない」
「…、」
「考えてみろ。お前は男だぞ」
突然、兄様が掴んでいた俺の腕をぐいと引っ張った。いきなり目の前にある兄様
の顔、近いよ近すぎるって！それに泣いた後で汚いし、駄目だ、恥ずかしすぎる
。
「男の攻略方なんか知らないんだ。落としたくても、できるわけないだろう」
「へ…」
「これから勉強していくよ。エドワードの落とし方」
え、え、ちょ、これは…わあああ兄様の唇がぁあ！
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「わぁああああああ！！！」
勢いよく飛び起きた俺はベットの上で息を荒げた。
「ゆ、夢…」
呼吸を整えていく内に、瞬間的に忘れた夢の内容が次々と脳裏に浮かんでいく。
あああ何て恥ずかしい夢を見てるんだ俺は！馬鹿馬鹿！なんであんないいところ
で起きたんだ俺の馬鹿！
「ていうか兄様、普通に俺のこと攻略して……あ！」
そうだ、昨日の夜勉強しながらそのまま寝てしまったんだ。ゲームはどこにいっ
たんだゲーム機は。
布団の中を漁るとぬくぬくになったゲームが出てきた。
「あー充電切れちゃってるし」
こんな扱い方をしていたら兄様に怒られる。早く充電器に挿さなくては。そうい
えば今何時なんだろう。
「げ、もう６時過ぎてる！朝ごはん作らなきゃ！」
今日こそは兄様に認めてもらうんだ。最高の美味である、血の池地獄で泳ぐワニ
の肝臓を使ったハンバーグなら、どの３Ｄ女の朝ごはんにも負けないはずだぜ。
俺と兄様の駆け魂集めの日々はまだまだ続く。
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終わっとけ！反省はしてみないよ←
お粗末様でした。
神のみぞ面白いです。アニメも面白いです。オススメ。