オメガバース
#オメガバース
#好き勝手な解釈をしてます。抵抗のある方はご注意ください。





恋に必要なのは
『心』か、『本能』か

愛に必要なのは
『心』か、『本能』か



side K

俺だってそれなりに、"運命"を信じていたんだ。

例えば、あの時俺の頭にボールが当たったのがきっかけで、バスケを始めたこととか。

例えば、そこで黒子っちをはじめかけがえのない、大好きな仲間がたくさん出来たこととか。

例えば、そのキラキラしたキセキみたいな繋がりが、脆くて儚いほど簡単にひび割れてしまったこととか。

例えば、スカウトされて進学した先で先輩に出会えたこととか。

それを俺は、運命なんじゃないかって。
そう、思っていたんだよ。今、この時までは。



朝から妙に頭が熱っぽくて、酷い風邪をひいた時みたいな状態だけど、咳も鼻水もなんともない。
けれども数日前から感じていた身体の怠さは、朝からさらに悪化していた。

今日は昼過ぎからみんなとストバスの予定だった。
赤司っちや紫原っちも来ると言うから、春に卒業してしまった先輩も参加すると言ってくれた。先輩とバスケをするなんて先輩が引退して以来だから本当に久しぶりで、体調が悪いから休むなんて選択肢は最初から俺の頭にはなかった。

幸い会場は俺のマンションから歩いて行ける距離。

本当は今日、先輩に泊まって貰って一緒に行こうと思ったけど、どうしても仕上げなきゃならないレポートがあるからと断られた。その時はもっと一緒にいたいと散々ごねて怒られたけど、今はむしろ良かったとすら思う。
とにかく怠くて、食欲がない。
朝から何も食べてないけど、なんにもいらない。ただ怠くて身体が熱い。こんな状態でストバスになんか行ったら、先輩、怒るかな…。



「黄瀬っ…」
「せん、ぱ…」

家を出て待ち合わせ場所へ向かいながら、本格的に身体がおかしくなってきた。
吐き出す息が熱い。

頭がぼんやりする。

視界が霞む。

ストバスコートの手前、自販機の前で待ち合わせしていた先輩は、俺を見るなり目を見開いて立ち尽くした。
ごめんなさい、先輩。体調悪いのに出てきたりして。でも、どうしても、先輩とバスケがしたいんス。俺は…先輩と…。



「……?」

何かに呼ばれた気がして、ふらふらと振り向いた。

通りからこちらへと角を曲がったところに、人影が2つ見えた。


−−−あぁ。見付けた。


「……嘘だろっ」

その低い声が耳元で聞こえて、俺の身体は感じたことがないほどの歓喜に震えた。

いつの間にかキツくキツく俺を抱き締めている腕は、先輩のものじゃない。

俺を包む力強くて深い匂いは先輩のものじゃない。

それなのに。
この腕を、どうして俺は知ってるんだ。
この匂いを、どうして俺は知ってるんだ。




どうして。
彼が、俺の『運命』なんだ。





→なんちゃってオメガバース。
黄笠黄前提の青黄です。


オメガバース、好きなんです。
色々と細かい設定を考えてるのですが、需要はありますか?


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