12/必要最低限





『そういや生活用品とか買って無くね?』
千鴇くんのこの一言で部活帰りに買い物に行くことになりました






なんか付き添い込で。


「なあなあゲーセン行こうぜゲーセン!」
「あっ俺も行きたいっス!!」
「じゃあお前らだけで行けよ」
「なんじゃ、いつもより冷たいのぅちーちゃん」
「チじゃなくてセンだから」
「大丈夫だって、金は全部持つから!ジャッカルが!」
「おいっ俺かよっ!」

うわ!本場だ…!!じゃなくて。

「あのー、私の生活用品を買いにきたんだけど…」

しかも必要最低限だけでいいわけだから、そんなに時間はかからないし…あ、だからむしろ遊び放題なのか!((


「そうなのか?でもなんで畠見が着いていく必要が…」


あ、

なんとなくどうでもいいけど結構重要な事にジャッカルが気付いてしまう。
それにニオや赤也も反応し「そういえばそうだな」という顔をした。


「あっそっか、まだ言ってなかったっけ」
「出たよ千鴇のド忘れ!」

ブンちゃんが千鴇くんをみて笑う。
確かブンちゃんはテニプリキャラで唯一この理由を知っている人だ。


「言っても平気?」
「え?」

いきなり私の方をみて千鴇くんが問い掛けてきた。

えっ。うわ〜〜この角度イイ。萌える。イケメンはこれだからズル……じゃなくて!

「ま、まあ…みんないずれ知る事だしいいんじゃn「俺達同居してんだ」

「「「え?同棲?」」」


…貴様ら。













「まあこんなもんかな」

いくつか店を周って、ある程度のものは揃えられた。

「お帰り美紀ー」
「ごめんね荷物持たせちゃって」

店の前で待っていた千鴇くんは、私の買ったものを全部その手に持っていた。隣のベンチに置けばいいのに…

「いや、大丈夫だよ」
「よっ新婚さん!」
「なっ!やめてよ!」

私が嫌がる素振りをすると「ごめんねごめんねー!」と言いながらブンちゃんは赤也と一緒にゲーセン(多分)に走っていった。
ジャッカルも「お前ら危ないだろ!」とそれを追いかける。まるで保護者だ。

新婚って…テニプリキャラとならまだしも…((

「あ、今お前テニプリキャラと同居したいなと思っただろ」
「何故分かった」
「顔にそう書いてある」

そ、そんなに顔に出てたかな………
チラッと千鴇君の顔を見ると、やれやれといった表情と共に、少し険しい顔をしていた。

「まぁ…さ、キャラの家に住みたいなら住めばいいよ?」

「えっ!?で、出来ないでしょそんなの!」

「うん、まあ確かに出来るかどうかは別問題だけど…俺と一緒に住む事に関しては、強制してるわけじゃないし」

「いや、ちょっと」

「この辺って学生が多いから安めのアパート多いし、最悪寮って手もある」

「ねえってば、」

「キャラの家にだって、実は家無いんですみたいな事言えばどーにか…「ねえ!」

彼の中の何かのスイッチが入ってしまったのか、突然の事で動揺したけど、千鴇君も私と初めましての時から色々決めてしまって、きっと不安なんじゃないだろうか、
そう気付いた私は諭すように彼の目をじっと見つめて話し出す。


「や…確かにキャラと住めたらとは思う、確かに思ったけど、そもそも彼等一人一人にもちゃんと家があるわけだしそんなのおかしいよ…、それに家を別にするより、同じ境遇の千鴇君が近くにいてくれだ方が安心っていうか…あ〜!とにかく!別にそんな大丈夫だよ、大丈夫だから…」
言葉がごちゃごちゃになりそうなのを必死に整理した。
…なんとか伝えられただろうか。

「美紀……」

不安げな顔の千鴇くん。こんな顔をみるのは初めてだ。

なんとかいつもの笑顔に戻って欲しくて、私は「こら!もうそんな顔しない!」と言って彼のほっぺをつねり、にっこり笑った。

すると千鴇くんは少しずついつもの顔になってくれた。
良かった良かった…





「…ククッ」

あたしが安心していると、背後から奇妙な笑い声が聞こえた。
この笑い方は……

「あれ、ニオ?どうしたの?っていうか今の話どこから…」
「すまんの、欲しいCDを買っちょった」
「えっ、あーうん、そうなんだ…って、ききたい事はそれじゃないんだけどー…」
「ホラこれ千鴇が欲しいっていっちょったやつ」
「え…マジ?借りていい?」
「んじゃ今度…」

私をスルーして千鴇くんと仁王がCDについて話し始めた。
えっ、おーーーい、私ハブですかーーー。あれーーー。聞こえてるーーーー?っていうか見えてるーーーーー?見えて…ない!?ないの!?アッぜんっぜん見てない!つらい!コラ〜〜!!


「あのォオオ!!!!…少しいい?」
「「ん?」」
「あ、あのさあ…私が何処に住むとかそんな話…聞こえてた?」
「あーそれのう、俺は知っちょるんよ」

…は?

「え、いや、それ、答えになってないよ…」
「いや、なってるよ」

CDを眺めていた千鴇くんが口を開く。


「ニオは俺達の理解者なんだよ」
「り、理解者?」
「うん」
「と、もうしますと…」

なかなか話が見えてこず、私の頭の上には?マークが所狭しと広がった。

「まぁ、」とりあえずブン太達の後を追おうぜよ?というニオの言葉で、?マークを撒き散らした私とにっこり笑顔の千鴇くんは複雑な睨めっこをして歩き始めた。












リゼ