10/セレブと貧乏花子





華岾さんを連れて来るとコートの周りには人だかりが出来ていた。

ぎゃっ
凄い人数の女子生徒!
普段も凄いけど今日はもっとすごいなあ…
何してんだろ?練習試合とかかな?

「相変わらず立海は応援が少ないわね」

…流石氷帝。
コートの周りは絶えず香水の匂いが漂ってそうな雰囲気だ…いやだなそれ←

「おっ美紀お帰…あれ?隣の人は?」

後ろを振り向くと、千鴇君が半袖半ズボンでシャツの汚れも気にせずにタオルと水をせっせか運んでいた。

「あっごめんね千鴇君、この人は氷帝テニス部マネの…」
「大丈夫!もしかして華岾さん?」
「ええ」
「わざわざ神奈川まで来てくれたんだ!?お疲れ様ー、今これ運んできちゃうから、ちょっと待っててくれる?」
「あら、そう、貴方が…分かったわ」

おいしょっ!と気合いを入れると、千鴇君はコートの方に歩いていった。

「あれ?千鴇君と華岾さんは知り合いなんですか?」
「会うのは初めてよ。今までメールで連絡をとっていたわ。文からは男か女か分からなかったから、わたくしと連絡を取っていたマネージャーは貴女かと思ってのだけど…そう、あの男が…」

なるほど。
だから華岾さんの事を知らない私がマネージャーだと聞いて、華岾さんは疑問に思ってたんだ。

「さっきは色々と言ってごめんなさいね」
「へ?」
「…なんでもないわ」
「あ…いえ、」

華岾さん、意外とイイ人かもな…
見た目は派手だし、氷帝通いのお嬢様っていうと何処と無くキツいイメージがあったけど…











部活が終わって制服に着替えた真田と千鴇君が来た。
「2人ともお疲れ!練習試合?」
「うむ、トーナメント形式でな」
「華岾さん!待ったでしょ?ごめんね〜」
「この娘で遊んでたから平気よ」
「ええっ私遊ばれてたの!?」

みんなが練習している間、私はマネージャーの仕事をやろうとしたけど、既に千鴇君が終わらせていたので(ゴメン)、華岾さんと部員の話やマネージャーの仕事の話をしていた。
なんかからかわれるような話あったっけな……

「貴女意外と面白いのね、地味でつまらない娘だと思ってたわ」
「ゔっ…!!ズバズバくるんだけど…!!」
「まあまあ、褒められてるみたいだし、いいんじゃない?」
「そ、そうかなぁ…」

千鴇君がヘラヘラと笑って肩をポンポンしてくる。
それなら良いんだけど…

「久しぶりだな華岾」
「真田くん、冬の合同練習試合ぶりね」

千鴇君に慰められていると、横で真田と華岾さんが親しげに話し出す。
ん?冬も一緒に練習試合したんだ…って事は、千鴇君はその時は立海にいなかったのかな?

「俺は今までずっと青学にいたんだよ」
「狽ネんだって!?」

色々とハチャメチャすぎるよ千鴇君!!
そして、そんな短期間でこれだけの仕事を覚えてこなして仲良くなってるの…!?

目を見開いて千鴇君を見ると、真田と華岾さんの「で、本題はまだか」といった視線に気付いたのか、「ま、そこはおいおい話すよ!」といった風に流されてしまった。


「じゃあ早速だけど、例の件について…」

「あら。その前に柳坂さんはその格好でよろしくて?」
「あっ!私まだジャージ姿でしたね…!すみません、着替えてきます!」

お話しすぎて着替え忘れてた!
いつもはテニス部員が来る前・終わる前に更衣室を使ってたのだが、今日はすっかり忘れてしまっていた。

「おお、そうか。時間が限られているから先に始めているぞ。後で話してやるから、ゆっくり来い。」
「真田君ありがとう!行ってきます!」

私はそそくさと更衣室へ向かった。

















リゼ