〜♪
握り締めた携帯が街でよく聴いたクリスマスソングを孤独に歌う
君からかかってきた時だけの音楽
「…もしもし」
『リョーマ?…良かった生きてて。でも、出来れば会いたくなかったな』
「…ねえ、なんでそっちにいるの」
『最後にどうしても伝えたくてさ…』
「はやくこっちに、」
『HAPPY BIR…
気付けば
俺は君の名前を思いっきり叫んで
地面に崩れた
―残酷な支配者の放送で現実に引き戻される
《死亡者は―…》
・・
君の名は、そこにあった
「…ねぇ…!まだ最後まで聞いてないよ…?」
おめでとうって、言ってよ
俺一人置いて行かないでよ
ねぇ
ずるいよ、こんなの
《次の禁止区域は―…》
「…越前?」
「…まだまだ、だね…」
少年は僅かに笑みを浮かべゆっくりと立ち上がった
(1214)
|