儚い






「晋助!」
「凛…やっと会えたな」






愛する者への挨拶。
空が黒く染まり始めた。
私達の影がだんだん消えてゆく。






「良かった…無事で…無事に会えて…」

「お前より先に死んでどうする。必ず帰るって言っただろ?」

「ふふっ…そうだったね。」






他愛の無い会話。
貴方が私を抱き寄せた。
目の前の光がだんだん消えてゆく。






「どうしたの?」

「出来るなら、ずっとテメェを傍らに置いておきてェ」

「でも、目的を果たすまでは…でしょ?」

「あァ。その時は必ず、凛を迎えにくる」







愛する者への別れの挨拶。
最後に「また会おうね」と約束した。
貴方はだんだん消えてゆく。














『土方さん…高杉がそちらへ向かいました。』

『……分かった。後は任せろ』



『―――はい。』



その時は必ず、





(敵同士の愛)
(何故抱き寄せた時に殺さなかったって?殺せなかったんだよ)








リゼ