シュヴァーン隊長の事件簿・事件編
JUDGEMENTの未咲さんとのスキット風リレー小説です。
当然のようにお下品ですのでご注意を。
ちなみに、シュヴァーンの表記が
シ→よしな
シュ→未咲さん
の担当したパートになってます。
今日未明、キュモール隊長がスパッツで首を絞められ死んでいるところを巡回中の騎士に発見されました。
死因は窒息死。伸縮性のあるスパッツが伸びきっているところから、犯人は相当な殺意を持ってキュモール隊長の首を絞めたと思われます。
現在、犯人は逃亡中。騎士団の威信に賭けて、追跡調査が行われる模様です。
ア「…という事件が発生した」
シ「…で、なんで俺が捕まってるんですか?」
ア「勘違いしてもらっては心外だ。私個人としては君は無実だと信じている。…が、凶器が君のスパッツだったという事実は、無視するわけにいかなくてな」
シ「ていうか、一体どこの誰がわざわざ自分のスパッツ使って人を殺したりするんですか。明らかに誰かが俺に罪をなすりつけようとしてるんですよ!」
ア「心あたりはあるのか?」
シ「…仕事と立場上、恨みは持たれることはあると思いますが、具体的には…」
ア「スパッツが盗まれたことは?」
シ「二日に一度の割合で盗まれるので、いつ盗まれたのか特定出来ないとなんとも」
ア「むう…(今度からシュヴァーンのスパッツが干されるときには専属の警備をつけよう)」
シ「仕方ないですね」
ア「なにか妙案でも?」
シ「俺自身で犯人を探すんです。こんなわけのわからない冤罪は、自分で晴らします。」
ア「ふむ、それは頼もしいな。では、この台詞をそこのカメラに向かって叫んで気合いを入れるといい」
シ「は、はい…。えと…俺は必ず真犯人を捕まえてみせる、スパッツにナニかけて!
……って、なんですかこの卑猥な決め台詞!!」
ア「カッコイイだろう。名探偵には決め台詞が付き物だからな(どや)」
シ「もうやだこのひと…」
かくして、シュヴァーンの頭脳と真犯人の闘いが幕を開けたのであった…
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シ「というわけで、話を聞かせて欲しい」
ユ「なんで真っ先に疑うのが俺なんだよ」
シ「お前が怪しいからだ(仕事人的意味で)」
ユ「んなキッパリ言われるとむしろ清々しいな…」
シ「早速だが、昨日の夜なにをしていたか聞かせてもらえるか?」
ユ「昨日の夜、ねえ。…ずっとフレンの稽古に付き合ってやってたな」
シ「シーフォの?」
ユ「ああ。なんか、「もっと強くなって、愛する人を守りたいんだ!」とかで。すげー張り切ってたぜ。一晩中付き合わされてこっちもさすがにくたびれたけどな」
シ「なるほど。さすがはシーフォ、真面目だな」
ユ「つーことで、俺のアリバイはフレンに聞いてもらえればはっきりするんじゃねえかな」
シ「…この様子だと、ユーリはシロだな。…すまない、邪魔をしたな」
ユ「別にかまわねえって」
シ「ハズレだったか…だか、俺は必ず真犯人を捕まえてみせる。…スパッツにナニかけて!」
ユ「……おっさん、かけられたいのか?」
シ「や、違っ…これは、毎回終わりに言うようにとアレクセイ様から…」
ユ「水くせぇな。回りくどいことしなくても、言えば望み通りたっぷりかけてやるってのに…」
シ「え、ちょ、ユーリ…っそんな…ぎゃあああーっ!」
・・・・・・・・・・・・・・
シュ「…はぁ…はぁ…。くそ、腰が痛い…」
フ「シュヴァーン隊長?」
シュ「うわっ!ふ、フフフレンか…!お、驚かせるんじゃない!」
フ「も、申し訳ありません。シュヴァーン隊長が何やら腰をさすってらっしゃいましたので、具合でも悪いのかと思いまして…」
シュ「ここ、これはその…最近デスクワークが多くてな。そのせいだろう、きっと」
フ「そうでしたか…シュヴァーン隊長、ご無理をなさっては皆が心配します。疲れた時はどうぞ遠慮なくお休みください!僕がマッサージしますから!」
シュ「そ…そうか。機会があれば頼もう(マッサージ?)それはともかく、フレン。ちょうどおまえに聞きたいことがあったのだ」
フ「はい、何でしょう」
シュ「昨日の晩の事件のことは知っているな?」
フ「キュモール隊長のことでしょうか。残念なことです。無惨にもスパッツで謀殺されたとのことで…」
シュ「…やけに詳しいな」
フ「それは当然です。キュモール隊長の亡骸を片付けたのは僕の隊ですから。…もしかしたら、シュヴァーン隊長。僕のことを疑ってらっしゃいますか?」
シュ「…可能性は否めない、ということだ」
フ「僕には犯行は無理ですよ。昨日はユーリと稽古をしていましたし、ラピードもそこにいましたから証言も間違いなく取れると思います」
シュ「(犬は証言といえるのだろうか…)」
フ「つまり、ユーリと僕には犯行は不可能ということです」
シュ「(ユーリの証言とも一致している…フレンも白か。あとで一応ラピードに聞いてみるにしても、間違いはなさそうだな)」
フ「…そう言えば」
シュ「ん?どうした」
フ「あの晩、城の方から光、が見えたような…今思えば死体発見現場からだったように思います」
シュ「そ、それは本当か!」
フ「えぇ、記憶違いでなければ、ですが」
シュ「そうか…わかった。疑って悪かったな」
フ「いえ。…僕はあなたに会えただけで」
シュ「犯人をこのまま野放しにするわけにはいかない。新たな情報も入ったことだ。私の名誉に賭けても必ず捕まえてみせる!スパッツにナニかけて!」
フ「…よろしいんですか!?」
シュ「へ?」
フ「僕の想いを、受け止めてくださるんですね!」
シュ「は!?ち、違う!これはアレクセイ様に…!」
フ「お慕い申し上げておりましたシュヴァーン隊長!ご所望通り、僕の愛をあなたに注ぎ込みます!」
シュ「ちょ!それじゃスパッツ通り越してるだろうが!!って、ほんとやめ…!ぎゃぁぁぁぁ!」
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シ「…くそ…若いとは時に残酷なものだな…。しかし…城から光、か。これは重要な証言だ…」
(ドンっ)
シ「うわっ!」
ル「こここ、これは、シュヴァーン隊長殿!大変失礼いたしました!」
シ「ルブランか。いや、考えごとをしながら歩いていたこちらが悪かった」
ル「お考えごとですか?」
シ「ああ。昨日のキュモールの事件を追っていてな」
ル「なるほど…なにかお役に立てることがあれば、不肖このルブラン、全力でお力添えいたしますぞ」
シ「頼もしいな。では、なにかこの件で知っていることはないか?」
ル「知っていることですか。うーむ…。ああ、そうだ。昨日の夕方、キュモール隊長は誰かに呼び出されていたようでしたな」
シ「呼び出し?」
ル「なにやら廊下で、どうして自分がわざわざ夜に出向かなければならないのか…ということを呟かれているのを見たのです」
シ「なるほど。…露骨にその呼び出した人物が怪しいな。他には?」
ル「いえ、私が知っているのはこれくらいであります!」
シ「わかった。貴重な情報、感謝する。……念のため聞くが、まさかお前が犯人ということは…」
ル「な、なにをおっしゃいますシュヴァーン隊長!いくら私達シュヴァーン隊とキュモール隊の仲が悪いからといって、私は法を犯すような行為は一切いたしませんぞ!」
シ「す、すまない、一応聞いておいただけだ。……情報が集まってきたな。犯人を逃がしてなるものか。スパッツにナニかけて!」
ル「し、し、シュヴァーン隊長…今のお言葉…本当ですか!?」
シ「へ?」
ル「今まで、ずっと自分の中に押し止めていたこの思いが、こんなところで叶うとは…!」
シ「え、お前、なにか勘違いを…」
ル「わ、私でよろしければ…かけさせていただきますぞー!」
シ「なっ!おおお、お前もかルブラ…ぎゃあああーっ」
・・・・・・・・・・・・・・・
イ「グッモォニン、ミスターシュヴァーン!何やらお忙しそうデスねー」
シュ「なっ、イエガー!帰ってきてたのか帝都に」
イ「ミーも暇じゃありませんカラね。ユーこそビジネスほったらかしてイイんデスカ?」
シュ「俺は別の仕事中なんだよ。っていうか、そろそろ止めろその口調!」
イ「…言うと思った。で?何をそんなにバタバタしてんだよ」
シュ「実は昨日、キュモールが謀殺されるという事件が起きた。犯人はいまだ不明で、城の方から光が見えた、ということとキュモールが何者かに呼び出されていた、ということしかわかっていない」
イ「あぁ、俺もさっき聞いたよ。っていうか、あいつがまだ生きてる時、俺、あいつとすれ違ったぞ」
シュ「な、何だって!?それを先に言えよバカ!」
イ「聞かれてなかったし第一何してたのか知らなかった俺に言う台詞じゃないよなぁ?シュヴァーン?」
シュ「…わ、悪かったよ…。と、とにかく!そのときキュモールは何か言ってたか!?こう、誰に呼び出された、とか!これからどこに行く、とか!」
イ「さぁ?テルカ・リュミレース全般への不満と愚痴をぺちゃくちゃってとこかな。さも不満です、って顔してね」
シュ「………死ぬ間際も変わらないってか。はぁ…そりゃあうまい話はないよなぁ。簡単に事件解決の手がかりなんて」
イ「あ、でも珍しく書類を山ほど持ってたぞ」
シュ「書類?」
イ「あぁ。何やら持っていくように頼まれたらしい。暗くて宛名やら差出人やらは見えなかったが、相当な数の書類だったぞ。"何でボクが平民隊長の代わりに平民隊員に配らなくちゃならないんだ"…とか何とか」
シュ「…………平民隊長って」
イ「ま、あいつが主に目の敵にしてんのはおまえだな」
シュ「と、いうことは…キュモールは誰かから書類を貰ってそれを俺の隊に配布して…それが終わった瞬間に抹殺された、ということか?」
イ「そうだろうな。どうやら俺が見たのは呼び出され終わって、どこかに向かうキュモールだったみたいだから」
シュ「…どういうことなんだ…?書類を頼んだものの、頼んだ本人からしたらキュモールにその書類の内容は知られたままだと都合が悪かった、ということか?だから用済みになったところを…?それじゃあ何でフレンに頼まなかったんだろうか…?」
イ「大方、キュモールしか都合のいいのがいなかった、ってことだろうな。ま、白羽の矢が当たったものの殺されるあたりがあいつらしいけど」
シュ「……ところで、おまえどうしてザーフィアスに?ギルドの方はいいのかよ」
イ「疑ってんのか?残念。都合よくキュモールは目撃はしてるけど、あくまで偶然だよ。マイロードに呼び出されちゃ、戻らないわけにはいかないだろ?」
シュ「大将が、か…。悪い、念のため確認しておきたかった」
イ「別にいいって。それよか、お前の部下達に聞いた方がいいんじゃないか?運が良ければ書類が残ってるかもしれないしな」
シュ「…犯人はまだわからないけど…間違いなく前進している…!このまま調査を続けて、絶対に犯人を見つけ出してやるぞ!スパッツにナニかけて!」
イ「……………お前…随分積極的になったな…。昔は下ネタ聞くだけで真っ赤だったのに」
シュ「ちが…っ!って、お前も勘違いすんなよ!わかるだろ!?これは大将に…っ」
イ「………そうかそうか、シてほしいのか。俺も実は、お前に色々とかけたくて仕方がなかった」
シュ「ってほんとやめ…!前出しながらこっちくんなって!!そろそろ腰が…!ぎゃぁぁぁぁ!」
続く
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