Twitter140字SSまとめE
8/8〜9/7

8/8【タコの日】
「今日はタコの日です!」プロジェクターいっぱいに映し出されたタコの映像に兄弟達は黙りこんだ。魚介類の日のゴードンは取り憑かれたようにその種類のキャンペーンを始める。それが今日はタコのようだ。「とりあえずタコ焼きでも食べながら聞いてよ」(食べづらい…)と顔を見合せた。 #140字SS@365

8/9【ムーミンの日】
「ムーミンはカバ?」「いや、妖精だ」「いやいやカバでしょ!」そんなやり取りがホログラム越しにゴードンとジョンの間で行われる。「作者が妖精だって言ってるんだよ」「作者が…そうなんだ」ゴードンは頬杖を吐いたが「そう言えば太った時のジョンって少しムーミンに似てるよね」 #140字SS@365

8/10【鳩の日】
「鳩って賢いんだよ。どこにいても巣や家族の元に戻れるんだ」鳩の日だからとアランが鳩の魅力について話し出した。「すごいよねー。僕も伝書鳩飼ってみたい」ニコニコと話すアランにスコットは「そうだな」と相槌を打った。「食べても美味しいしな」アランの顔から笑顔が消えた。 #140字SS@365

8/11【山の日】
「山の日だから山に行かないと…」部屋から出てきたスコットが虚ろな目で荷造りを始めた。ここ数日スコットは父親の会社の仕事で徹夜続き。「バージル!スコットを寝かせろ!」異変に気付いたジョンが張り上げれば、バージルはスコットを確保すると軽々持上げてベッドに縛りつけた。 #140字SS@365

8/12【地球市民の日】
「今日は宇宙市民の日らしい」「宇宙市民とは大きく出たな」バージルの言葉にジョンは興味無さそうに返した。「ほら、同じ宇宙に住む市民として…」バージルはそこで言葉を切ると溜め息を吐いた。「…そろそろスコットと仲直りをしたらどうだ?」ジョンは不機嫌そうにそっぽを向いた。 #140字SS@365

8/13【健康ハート週間】
『健康ハート週間?』ラウンジに張り出された紙を見上げて弟達は不思議そうな声をあげた。その隣には自信満々なスコット。「IRとして健康も心も大切だからな」「なるほど」「それなら」「スコットの健康からだよね」弟達は徹夜続きのスコットの腕を掴むと無理矢理医務室へ連行した。 #140字SS@365

8/14【ひよこの日】
お祭りの会場でカラフルなひよこが売られていた。「ひよこ…」「買わないぞ。ひよこなら家にいるので我慢しろ」バージルがひよこを見ながら言えばジョンはすかさず釘を刺す。「ひよこ?」バージルが聞き返せば遠くから「あれ買って」「これ買って」とピーピー賑やかな声が聞こえてきた。 #140字SS@365

8/15【いちごの日】
少し太ったか?ジョンが自問しているとラウンジから通信が入った。「どうした?アラン」「ねぇ、今日イチゴの日だって知ってた?イチゴの日と言えば『イチゴダイエット』って言うのがあるんだって。ずーっとイチゴだけ食べるダイエットで……待って、何で睨むの?怖い怖い!ごめん!」 #140字SS@365

8/16【少年を非行から守る日】
「スコット、今日はアランに近づいちゃダメだからね!」「どうした急に」突然のゴードンの宣言にスコットは訝しげな顔をした。「あぁ、今日は『少年を非行から守る日』か。確かにな」ジョンが肯定するように頷けば、スコットは「僕は有害じゃない…」とさめざめ泣き始めた。 #140字SS@365

8/17【安全の日】
レスキューから帰還したアランが2号を降りた所で座り込んだ。レスキューで走り回ったツケが回って来たのだろう。「バージル、運んで」「仕方ないな」甘えた声で言われたら断れる筈がない。「今日は安全の日だからな」より安全に運ぼうとお姫様抱っこをすれば、アランは慌てて暴れだした。 #140字SS@365

8/18【頭髪の日】
「バージルの髪は綺麗だな」ジョンが風呂上がりのバージルの髪に触れれば、バージルは「ジョンの方が色も質も綺麗だろ」と笑って返した。他の兄弟にない黒髪にレスキューで傷んだ毛先。ジョンよりも硬い髪質。それでもジョンはバージルの髪を綺麗だと思う。「僕は好きだ」と優しく触れた #140字SS@365

8/19【俳句の日】
俳句の日だと言う。たまには風流にいこうゴードンとジョンは和気藹々と紙とペンを用意した。
『宇宙から・口喧しい・蝉時雨』
ゴードンが紙を見せればジョンも紙を開いた。
『水圧で・縮んだ身長・水風船』
お互いの紙を挟んで嫌な沈黙が流れる。風流な催しは一転、乱闘へともつれ込んだ。 #140字SS@365

8/20【ワインの日】
穏やかな夜。仕事を終えたスコットはキッチンに行くと秘蔵のワインを取り出した。お気に入りのワイングラスも用意する。一人の特別な夜の始まりだ。だが、ワインを開けようとした所でスコットは気が変わったように通信を入れた。「やぁ、バージル。今日はワインの日だ。一緒にどうだ?」 #140字SS@365

8/21【パーフェクトの日】
「今日はパーフェクトの日なんだって。眉目秀麗、才色兼備。つまり」ゴードンが言葉を切れば途端に「僕のことか?」「僕だろ」「えー?僕だってパーフェクトがいい」と口々に兄弟から声が上がる。「いや、僕だって!」ゴードンも参戦すれば、押しの強い兄弟達にバージルは呆れた顔をした。 #140字SS@365

8/22【ショートケーキの日】
「ねぇ、今日は」「わかってるよ。ショートケーキの日だろ?」アランがスコットの服の袖を掴めば、スコットは(仕方ないな)と言わんばかりに振り返った。「今日はロンドンのお店に行きたい!」アランは顔を輝かせる。ケーキも勿論嬉しいが、スコットと出掛けられるのが何より嬉しかった。 #140字SS@365

8/23【ウクレレの日】
ポロンポロンと音が響く。音を頼りにプールサイドに出ればウクレレを奏でるバージルと目が合った。「やぁ、ケーヨ」バージルは手を止めるとケーヨを見上げる。「ゴードンかと思った?」バージルの問いにケーヨは首を横に振った。「バージルが奏でる音は優しいから直ぐにわかるわ」と。 #140字SS@365

8/24【こどもの本の日】
「あ、トーチーの絵本」こどもの本の日だからとアランの部屋に押しかけたゴードンが本棚を見て言った。「まだまだお子様だなぁ」「いいじゃん別に!」ゴードンは膨れるアランに顔を寄せると「お兄ちゃんがいいものあげるよ」と笑う。後手には絵本の隣に並べるには憚れる大人の本があった。 #140字SS@365

8/25【サマークリスマス】
『メリークリスマス!』ラウンジから聞こえた季節違いの声にジョンは訝しげに回線を開いた。そこにはパーティーをするアランとゴードンと【サマークリスマス】の垂幕。(きっと毎日がお祭りなんだろうな…)自分とは異なる人種にジョンは羨ましさと呆れが混ざった顔でソッと回線を閉じた。 #140字SS@365

8/26【風呂の日】
お風呂の日だというので久しぶりに大きな浴槽に湯を張った。アランのリクエストでフワフワの泡風呂だ。「バージル、お風呂入れるよ!入り時だよ!今!」アランはバージルのシャツを引っ張りおねだりする。バージルは「わかったよ」と言いながらも笑みを隠しきれない様子で立ち上がった。 #140字SS@365

8/27【宿題チェックウィーク】
「アラン、宿題は終わったのか?」いつもに増して厳しいジョンの監視にアランは不貞腐れたように頬杖を吐いた。「ちゃんとやってるよ。そんなに信用ない?」「今週は『宿題チェックウィーク』だからな」ジョンの言葉にアランはその魔のウィークを作った見知らぬ人を静かに呪うのだった。 #140字SS@365

8/28【バイオリンの日】
「今日はバイオリンの日だ」家に降りているジョンにバージルが言うとジョンは「へぇ?」と不思議そうに首を傾げた。その目は(それで?)と聞いている。「たまには一緒にどうだ?」バージルがジョンのバイオリンが入っている棚に視線を走らせればジョンも満更でもなさそうに立ち上がった。 #140字SS@365

8/29【焼き肉の日】
「スコット、お肉食べたくない?今日は焼き肉の日なんだって」父親の会社に行こうとするスコットにジャケットを差し出しながらゴードンが言った。「焼き肉の日?」スコットは1つ頷くと「わかった。牛を買ってくるよ」と爽やかに笑う。ゴードンは「一頭はやめてね」と釘を刺すのだった。 #140字SS@365

8/30【ヤミ金融ゼロの日】
「ゴードン、いい加減に金を返せ!」「うわ!鬼が取り立てに来た!」ジョンの剣幕にゴードンはベッドの反対側に逃げた。「返さないならコレを貰って行くぞ」「止めて!僕のシーラカンス」ジョンの腰にゴードンが慌ててしがみつく。そして「今日はヤミ金融ゼロの日だよ!」と叫んだ。 #140字SS@365

8/31【野菜の日】
島にある家庭菜園。「バージル、ここにいたのか」とスコットが姿を見せればバージルは首にかけたタオルで汗を拭いながら振り返った。「精が出るな」「今日は野菜の日だから」丹精込めて育てた野菜達がたわわに実る。「一緒にどうだ?」とバージルが収穫用のザルをスコットに差し出した。 #140字SS@365

9/1【省エネルギーの日】
「バージル、コーラ取ってきて。クッキーも」「兄を顎で使うな!」バージルは不愉快そうに腕を組んだ。それでもソファーから動こうとしないゴードンにバージルは一転不安そうな顔をした。「具合がわるいのか?」「ううん、省エネの日」バージルはコーラと黒焦げクッキーを投げつけた。 #140字SS@365

9/2【宝くじの日】
「宝くじが当たったら」そんな大富豪らしかぬことを言い出したのはアランだった。「3号をもう1機欲しいな。交互に乗るんだ」そう膝を抱えるアランにゴードンは耳元で囁いた。「宝くじより外れなしのくじにしなよ。スコットへのハニートラップって言うんだけどね」アランの目が輝いた。 #140字SS@365

9/3【ベッドの日】
いつも以上に起きてこないアランに通信を入れれば、珍しくベッドで眠るアランの姿。「起きろ」ジョンの呼びかけをアランは寝返りを打って拒んだ。「アラン!」強めに呼べばアランは「今日はベッドの日だから!」と叫んで蓑虫のように布団を被る。大音量のアラームが家中に響き渡った。 #140字SS@365

9/4【クラシック音楽の日】
クラシックの日だと言うのでラウンジにクラシックを流してみた。穏やかで柔らかなな旋律が流れる。そこに乱入するコンガの音。コンガ?「ゴードン…」「クラシックって眠くならない?合いの手だよ、バージル」「コンガでの合いの手は止めろ」仕方ない。続きは部屋で聴くことにするか。 #140字SS@365

9/5【宇宙月間】
ジョンが家に降りてこない。重力と体調のこともあるのでスコットが真剣に催促をすればジョンは「宇宙月間だから」と答えた。「だから?」スコットの声に怒気が混ざる。ジョンは子供のような拗ねた表情を浮かべ「宇宙月間は宇宙にいないと」と小声で反論すると、そのまま通信を切った。 #140字SS@365

9/6【妹の日】
「妹の日か」何気なくスコットが言えばラウンジにいた弟達が一斉にスコットを睨んだ。「弟で悪かったな」「スコットひどーい!」「兄弟でも女性がいいのか」「弟でごめんね」最後に末っ子が悲しそうに言えばスコットは「違う!」と慌てて立ち上がった。5人兄弟はいつでも賑やかだった。 #140字SS@365

9/7【労働者の日】
「おい、働け」ジョンの声にゴードンは渋々目を開いた。今日はやけに人使いが荒い。ジョンのベッドに黒焦げクッキーを隠しておいた報復だろうか。「ちょっと休ませてよ」「今日は労働者の日だからな。さっさと働け」「勤労感謝の日はきっちり返してもらうからね」ジョンが薄く笑った。 #140字SS@365

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