Twitter140字SSまとめA
12/23【乳酸菌の日】
出かけようとするスコットをゴードンが呼び止めた。怪訝そうなスコットに「忘れ物」と乳酸菌飲料を手渡す。「後、愛してるって言い忘れてた」昨日見たCMの真似。悪戯に笑うゴードンの腕をスコットは掴むと部屋へ引き摺っていく。「ちょっと!会議は?!」抗議の声は聞こえない振りで。#140字SS@365


12/24【納めの地蔵】
今日は何の日だ?とスコットが聞くと弟達は口々に「地蔵の縁日!」「あぁ地蔵の縁日だ」「でも今月は納めの地蔵だよね」と答えた。「地蔵の縁日…?」クリスマス・イブしか考えてなかったスコットが思わず聞き返せば「あまりスコットをからかうな」とジョンの呆れた声が割って入った。#140字SS@365


12/25【クリスマス】
今宵は聖なる夜。大切な人と大切な時間を過ごす日だ。アランは満天の星空にベツレヘムの星を探しては心の中で呟く。ねぇ、パパもどこかで同じ星を見てるのかな?僕達は元気にやってるよ。僕達の成長にパパも驚くよ。だから早く帰ってきて。その祈りに応えるように一筋の星が流れた。 #140字SS@365


12/26【風呂の日】
いつもはシャワーが多いけど今日は風呂の日だからね。大きな浴槽にお湯を張ってプロジェクターで雪景色を映す。お盆の上には徳利とお猪口。徳利の中身は紅茶だけど。いい湯だな、あははん♪ってね。「楽しそうなことをしてるな、ゴードン」ほら、バージルもやって来た。皆もおいでよ。 #140字SS@365


12/27【ピーターパンの日】
「ネバーランドへ行きたい…」クッションを抱えたゴードンが遠くを見つめて言えば兄達は苦笑いを浮かべた。今日はペネロープとデートだった筈。帰るなりこの様子ではまた何かやらかしたのだろう。そんなゴードンに末っ子は無邪気に袖を引く。「ネバーランド?じゃあ僕はピーターパン!」 #140字SS@365


12/28【鶏の日】
「ジョンが僕を鶏扱いする!3歩歩いたら忘れるって」口を尖らすゴードンにスコットは(またか)と呟いた。2人の小競合いは日常茶飯事だ。「それは酷いな。バージルの方が鶏冠で鶏っぽいのに」「いや、僕はそう思わないけど」ゴードンが慌てて走り去る。スコットの後ろにはバージルの姿 #140字SS @365


12/29【クレープの日】
薄く焼いたクレープにたっぷりの生クリーム。そこにバナナを並べてチョコソースをこれでもかとかける。おまけにアイスを乗せてナッツとチョコをトッピング。クルクル巻けばアランスペシャルの完成だ。「はい、スコット!」笑顔で手渡す末っ子にスコットはアランの若さを感じるのだった。 #140字SS@365


12/30【味噌の日】
「日本は不思議な国だな」豆腐と油揚げの味噌汁を飲みながらジョンが言えば、バージルは首を傾げた。「味噌も豆腐も油揚げも大豆なんだぞ。例えば鶏皮の上に唐揚げを乗せてささみをトッピングするようなものだ」「それは美味しそうだな」目を輝かせたバージルにジョンは無言で肩を竦めた #140字SS@365


12/31【大晦日】
今日は大晦日。一年の締め括りの日だ。ラウンジに集まり談笑する家族を見回してスコットは微笑んだ。今年も誰一人欠けることなく終われそうだ。相変わらず父親は行方不明だが父親のことだ、きっとどこかで元気にやっているだろう。スコットは一年後もこうして皆で迎えられるように願った #140字SS@365


1/1【お正月】
お雑煮の餅は何個にする?そう聞いてきたアランに「1個でいいよ」と答えれば驚いたように目を見開いた。そしてキッチンのゴードンと何やらヒソヒソ相談。そしてクスクス笑い声。かと思えばラウンジに飾ってある鏡餅の上段の餅を持って止める間もなくキッチンへ走って行った。そうきたか #140字SS@365


1/2【初夢】
「初夢はなんだった?」アランが楽しそうに兄達に聞いて回る中、浮かない顔のスコットが重々しく口を開く。「おばあちゃんのクッキーが食べても食べても無くならない…エンドレスクッキー…」弟達の顔がひきつる。「暗い顔してどうしたんだい?クッキーはいかが?」おばあちゃんが現れた #140字SS@365


1/3【駆け落ちの日】
「バージルお願い!何も聞かずに僕と逃げて!」胸に飛び込んできた小さな体。バージルは驚きながらもその震える体を抱きしめた。決して離すまいと力を込める。そして通信を入れる。「あー、ジョン?うん、捕獲した。今から連行する」「ブルータスお前もか!」ゴードンの叫び声が響いた。 #140字SS@365


1/4【石の日】
「石の日だから石買っていい?」アランのおねだり声にスコットは仕事の手を止めずに(石くらいなら)とOKを出そうとするのをジョンの声が遮った。「ゲーム課金の魔法石とプレゼント用の宝石以外ならな」アランとゴードンの舌打ちが重なるが、それ以上のジョンの迫力に2人は黙りこんだ #140字SS@365


1/5【いちごの日】
イチゴを食べているとアランが抱きついて「僕とイチゴどっちが好き?」と聞いてきた。嫌なことでもあったのか。頭を撫でて「勿論お前だよ」と言えばアランの熱がスッと離れた。「僕だって」「ここまでくると病的だよね」ゴードンと困った顔を見合せる。わかった。2人ともこっちに来い。 #140字SS @365


1/6【ケーキの日】
ケーキの日だから大好きなタルトを買った。でも単独レスキューが入っちゃって「先に食べてていいよ」って言い残して4号出動。帰ったら「ジョンと2人で分けろ」って言われたんだけどジョンが切り分けたタルトがやけに不揃い。何も言わずに僕に大きい方くれたんだけど不器用に優しいね!#140字SS@365


1/7【みかんの日】
みかんの日だからとキッチンに山盛りのみかんが置いてあった。どう考えても問屋レベルで仕入れた感じ。「これゴードンの分」って一人何個と割り当てられたんだけどサービスでジョンのみかんに顔描いてあげたんだよね。食べる気無くすような前衛的な顔を。そしたらバンペイユぶつけられた #140字SS@365


1/8【勝負事の日】
「賭けをしないか?」「賭け?」バージルの提案に徹夜続きのスコットは眠たげに振り返った。「コインを投げて表だったらスコットは速やかに寝る。裏なら今日はもう仕事をしない。いいな?」スコットは寝不足で回らない頭を傾げたがバージルの真意に気付くと「いいだろ」と笑って頷いた。 #140字SS@365


1/9【風邪の日】
「今夜家に降りれる?部屋に来て欲しいんだ」神妙な顔で通信を入れるゴードンの顔色は悪い。ジョンが心配そうに「どうした?」と聞けばゴードンは「風邪引いた」と肩を竦めた。「でも人に移せば治るって聞いたんだ。降りてこれない?」「好きなだけ苦しめ。あぁ、レスキューは出ろよ」 #140字SS@365


1/10【110番の日】
仕事の疲れから癒しを求めて過剰なスキンシップをしたという自覚はある。矛先が末っ子に全部いったのも確かだ。けど最近アランが僕と会うとき常に携帯を持ってるんだ。「何かあったら110番しろって。ジョンが」まさか家族内で不審者扱いされるとはな。そう言えば今日は110番の日か #140字SS@365


1/11【めんの日】
日付が変わる直前。キッチンを通りかかると、ぼんやりとした明かりが見えた。消し忘れだろうか?キッチンを覗けばそこには隠れるようにしゃがんだゴードン。「やぁ、バージル」手に持ったカップ麺は隠しきれなかったようだ。「ほら、今日はめんの日だから」言い訳にしては無理があるな #140字SS@365


1/12【スキーの日】
「スキーの日?昔はよくやったな」スコットが懐かしむように目を細めれば、アランは不満そうに唇を尖らせた。「僕とは行ってないのに」小さな焼き餅にスコットは笑い出す。「それじゃ今度行くか」「本当!いつにする?」危険な日々を送っているからこそ、こんな日常が愛おしくて堪らない #140字SS@365


1/13【ピースの日】
パパのデスクで葉巻を見つけた。昔の映画で見たことのある葉巻。カッターで先端を切るんだよね。それくらいは知ってる。これを吸ったらパパに近付けるかな?そんなことを思っていると後ろから伸びた手に葉巻を取り上げられた。「お前にはまだ早い」笑うスコットは葉巻が似合うんだろうな #140字SS@365


1/14【ひよこの日】
「ひよこだ!」アランと出かけた先でひよこの日限定ふれあいコーナーがあった。アランは嬉々としてひよこに飛びつく。ふわふわのひよこを手にのせて嬉しそうだ。「ジョンも!」促されて手を伸ばせばそこに終了のお知らせ。仕方ないから家で待ってるひよこ頭でも撫で回すことにするか。 #140字SS@365


1/15【お菓子の日】
「ジョン、少しいいか?」言いながらジョンの部屋を開ければ、今まさにチョコバーを食べようとするジョンと目が合った。机の上には山盛りのお菓子。「ジョンもそういうの食べるんだな」バージルが微笑ましそうに言えば「お菓子の日だって押し付けられたんだ」とジョンの耳が赤く染まった #140字SS@365


1/16【禁酒の日】
連日のGDFの会議の所為で酒量が増えている。寝る前のウイスキーが1杯から2杯、2杯から3杯。レスキューに影響がない範囲だから、そう言い訳しながら酒瓶を手にするとゴードンが僕の手から酒瓶を取り上げた。優しく笑って「今日は禁酒の日。寝れないならホットミルクはいかが?」と #140字SS@365


1/17【おむすびの日】
小腹が空いたって言ったらバージルが「おむすび」を作ってくれた。お米を手の平で握って真ん中に具を入れるんだって。でもね、バージルの手ってすごい大きいんだ。「出来たぞ、ゴードン」って笑顔で差し出すけど、なんだろ?このサイズ?砲弾かな?茶碗何杯分?夕飯は食べれませんでした #140字SS@365


1/18【ホタテの日】
キッチンからゴードンのご機嫌な鼻歌が聞こえる。ついでに何かが焼ける音と食欲を誘うおいしそうな匂い。階段を降りてキッチンを覗けば屋台のようにホタテを焼くゴードンと目が合った。「スコットもいかが?」今日はホタテの日だと差し出されたホタテと笑顔に僕は抗うことは出来なかった #140字SS@365


1/19【トークの日】
「今日はトークの日だから話をしよう。そっちに行くからエレベーターを降ろしてくれ」スコットからの通信にジョンは「は?」と短く聞き返した。「100歩譲ってトークの日だとしても通信でいいだろ」ジョンの言葉にスコットの歯切は悪い。「こっちに避難したいなら素直にそう言え」 #140字SS@365


1/20【玉の輿の日】
それはまだアランが幼少の頃。「バージル。玉の輿ってなに?」物語の一節に出てきたのだとアランが言えばバージルは説明の言葉を探した。「自分より身分が上だったりお金持ちな人と結婚することだよ」「じゃあ僕もバージルと結婚すれば玉の輿だね!」アランは名案だとニコニコと笑った #140字SS@365


1/21【料理番組の日】
「ゴードン、これ食べたい!」料理番組を見ながらアランが僕の膝を叩く。海洋学の論文から視線をTVに移せばおいしそうなローストビーフが画面いっぱいに映っていた。「いいねぇ!本格的にやろうか」立ち上がればアランも目を輝かす。「本格的ってことは牛から?」この子バカなのかな? #140字SS@365


1/22【カレーライスの日】
2日目のカレーが美味しいと聞いたから鍋一杯にカレーを作った。ただそんな時に限って育ち盛りの食欲が爆発する「バージル、おかわり」と珍しくジョンまでおかわりをする。「今日のカレーおいしいな」とスコットが言えば皆が頷いた。鍋は空っぽになったけど、まぁいいか。また作るよ。 #140字SS@365
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