Doubt/脱色/噂屋



『噂』とは公式的情報ではなく人から人へ伝えられる情報。つまり、根拠のはっきりしない情報が人から人へ伝えられること、あるいはそのような情報を指し示す。これは流言・風聞とも言われる。噂の内容は真実であっても事実と違っていても、客観的事実として確かめられず偶然の経路を経て連鎖的に伝えられる。それは、(壱)主題が興味や関心を引くとき、(弐)その内容が不確かで推測や解釈の余地があるとき、(参)人々に不満・不安・恐怖があり、それから逃れようとする気持ちが強いとき、(肆)集団が共通の関心をもつとき、(伍)経済恐慌・天変地異など社会的に緊張があるとき、などに発生しやすい。なお、噂も伝わっていく間にその内容が変化するが、その際、単純なものになったり、話のある部分が強調されたり、さらに人々の関心・願望或いは期待に沿うように変わったりする傾向がみられる。そして情報の内容が明らかになり、人々が関心を示さなくなると噂はやがて消滅する。人の噂も75日、だ。


「――という訳で、例えば君があたしの話を聞かなかったものとしてその結果根も葉もない噂を流されたとしても、たった2ヶ月半を耐えればいいだけの話や」

「なんだそれ」

「実に簡単な事やろ?」

「ふざけるな、下手すりゃこれからの人生を左右する汚名を課される事になるだろうが」

「でも断るという事はそういう事や。汚名を受ける勇気!、とか響き格好いいと思うぞ?事実上ただ単に汚名を受けただけなのにそれが語尾に『勇気』と付けるだけであら不思議、あたかも甘んじて受け入れたという勇者がましい印象になるとは思わんか?きゃーかっこいいなぁ檜佐木くん」

「それ誰の受け売りだよ一体どこの作品からの台詞の引用だ。誰が好き好んでそんなの受けるか馬鹿か馬鹿なのか。あと最後の大分棒読みだったなおい」

「…あたしの言葉に対して全て突っ込みを入れてくるとは…すごい…嗚呼、やっぱり君ほしいわ。是非あたしの下僕としてほしいなァ」

「本音がだだ漏れだ!少しでも交渉してるつもりならそこは嘘でも仲間にとか相方にとか言えっ」

「いや相棒ならまだしも相方とか、今あたし漫才組む気は更々無いんでそれはお断りしますわ全力で、全力で!」

「大切だから二回いいましたっつー顔だなおい!キリッといい顔しやがって!」

「…君ほんまよう喋るな、そんなんで疲れへん?大丈夫?お水飲むか?」

「急に余計な心配すんじゃねぇーよっ…それ言うならお前もよく喋るな。口調もそうだがお前第一印象と違うってよく言われねぇか」

「おっと、さっき初めましてしたばかりなのに早速お前呼ばわりとは失礼極まりないなァ檜佐木くん。それともこれは檜佐木くんからの積極的アプローチだと捉えたほうがええんやろか。いやあたし鈍感だから気付けんで済まんのう」

「もう黙れそこだけ拾うな捉えんなポジティブシンキングも大概にしろ。きゃ!なんて乙女ぶった反応すんなよ戦場ヶ原。ったく、話全く進まねぇし噛み合わねぇな」

「ん、そうやなそれは同感するわ。…取り敢えず、まだ自分が置かれている立場を理解してないようだから親切に分かり易く教えといたるよ檜佐木くん。――これは交渉じゃない、今のあんたに選択肢の自由はない」

「…どういう意味だ?」

「そのままの意味や、今のあんたに選ぶ選択肢は用意されてない。さっきの件差し引いたとしても今のあんたの意思に関係なく、あんたはあたしに協力したくなる」



―――――――
終わり方に収集がつかない
間のお話かけたら多分noteに移動します






戻る
あきゅろす。
リゼ