尸魂界・通信技術研究所。
その日、日番谷十番隊隊長率いる隊士数名と風霧が現世の任務に向かっていた。
しかし、数時間後。
断界内からの緊急通信。
支援要請のそれを最後に、彼等からの連絡は一時途絶えた。
後に再び事態を伝える一報が入り、瀞霊廷全域に通達される。
『断界にて複数の虚出現。負傷者多数
風霧が拘突との接触により、消滅』
様々に移り行き
ただゆるゆると流れ
儚く散り、艶やかに舞い落ちる
それは月夜の湖面に凪いだ
たゆたう花片の幻想
それは花曇りの空に映えた
先に視ゆる浮景の片鱗
― かぜそばえ ―
きっとまだ、舞散る蝶の夢を魅る
(蒼空に花咲き尽きし、風戯え)