雲凪番外編「これからの男達」











「……ふぅ。」

部屋に残った雲雀は、凪が充分に離れたのを足音で確認する。
そして先ほど座っていた位置に戻り、トンファーを構えた。




「……………。」

今さら気配を隠しても遅い。

雲雀は頭上に向けてトンファーを投げ、天井に突き刺す。
すると、屋根裏に隠れていた獲物が動き出した。




「へぇ、意外と素直だね。」

「まったくもー、
雲雀君ってば末恐ろしいんだから。」

屋根裏から外へ出れる柵を破り、庭へ飛び降りたのは白い人間。
朝食後、屋敷内を散歩すると言った白蘭だった。

白蘭の存在にとっくに気付いていた雲雀は、特に驚くこともなく、天井に突き刺したトンファーを抜く。




「やっぱり2度目は通じなかったか。」

「当たり前だよ。
そもそも1回目から気付いてる。」

「あー、僕も油断したね。」

「人のプライベートを覗くなんて、君も悪趣味だね。」

「それもこれも、屋根裏が豪華だからだよ。」

それは昨夜、
白蘭が骸に黙って屋敷に来た時のこと。

こんな広い屋敷なら秘密の隠し部屋もあるだろう。
そう思った白蘭が興味本意で屋敷内を捜索していたら、まさかの大当たり。
1枚だけ形の違う天井の板を外して上ってみると、立ち上がっても平気な空間があった。

しかもそこにはソファーやスタンドライト、数冊の文献、そして書類が置いてあったのだ。




「掃除されて綺麗だったし、ボンゴレの報告書も見てて楽しかったよ。」

「それを口外したら、とばっちりを食らうのは僕だよ。」

「大丈夫大丈夫。
ボンゴレの意見と僕の考えは今のところ合致してるから脅すネタにはしない、って綱吉君に伝えておいて。」

白蘭はそう言って、雲雀のいる廊下まで歩く。
報告書の内容がバレたことを綱吉が知ったら、いったいどんな説教が始まるのか。
雲雀はため息を吐いてトンファーをしまう。




「でも気配は消してたつもりなんだけどなぁ。」

屋根裏でくつろいでいた時は、雲雀にバレないよう気配は消しておいた。
そしたら骸や雲雀の声が下から聞こえてきたので、驚いた。

襖を跨いで何をやっているのか。
白蘭は笑いながら、一部始終を屋根裏から観察していた。
しかし雲雀には全てお見通しだったらしい。




「まぁ、君の好奇心には色んな意味で尊敬するよ。」

「でもどうしてあんなに広いわけ?」

「あの部屋は非常時のために作らせたんだ。」

「へぇ、用意周到じゃん。」

「この短期間で気付かれるのは予想外だったけどね。」

「ごめんごめん。
あとで僕の好奇心に厳しく言っておくから。」

白蘭はヘラヘラと笑いながら靴を脱いで廊下に上がる。
そして雲雀と向かい合った。




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