雲凪番外編[お泊まり会]














「はい、というわけで。」

「何でここの屋敷は風呂の温度設定45度なのさ。」

「ジャパニーズ精神を侮るとまた痛い目にあいますよ綱吉君。」

「だよな。」

屋敷の主人は着物フェチで和食に肥えた舌の持ち主。
しかもケンカ上等の強欲人間。
これはさすがに馬鹿にしてはいけないほどの精神力だと感服した骸とツナ。

一面に広がるのは真っ白な世界。
布団が引かれた広い和室に大勢寝る、これは修学旅行の雰囲気を醸し出してならない。
骸にツナ、更には草壁に女中さんまでもが一緒の広間だった。




「再び泊まれるとは予想外です。」

「俺は初めてなんだけどね。」

「恭さんのテリトリーに寝れるとは…私も初めてです。」

「あ、草壁さん。
雲雀君ってどこで寝るんですか?」

「あ、それは…。」

「お隣のお部屋ですよ。」

言葉を濁した草壁の後ろでソプラノの声。
1人の女中さんが手で指した右の障子、隣部屋には雲雀と凪がいるという。

…………えッ?!




「は、はい?!」

「確か、御二方は隣の寝室でくつろぐと言っていましたよ。」

「となり…ってオイオイオイオイ!」

「ちょ、誰か聴診器!」

「聞く気満々なんですか2人ともっ」

「あれ。
草壁さんは興味ないんですか?」

「……………。」

「ではでは遠慮なく。
もし雲雀君が凪に手を出したら容赦無く止めに行きますから!」

「骸、お前雲雀さんに勝てるっけ?」

「綱吉君、頑張ってください。」

「俺かよッ」

すぐ襖に耳をつけて隣の部屋の様子を伺うが、そう簡単には聞こえない。
だからと言って、襖を少しでも開けたら光が差し込んでバレてしまう。
=死。

骸はなんとかして部屋の様子を知るべく、女中さんが持ってきた聴診器を取り付けて再チャレンジ。
微かだが、会話的なものが聞こえてきた。




「うーむ……。」

「どうだ?」

「ぼそぼそと…ちょっとしか聞こえませんね。
あ、今雲雀君の声が。」

「何て言った?!」

「………。」

僕に抱かれるのはいつがいい?




「………へッ?!」

「だ、抱く気満々じゃん!!!」

「それよりも凪!
凪は無事なんですか?!」

「お二人とも!
襖ごしで騒がれたら恭さんに聞かれますよ!」

「く・さ・か・べさん!」

「会社に影響する事態なんですから落ち着いてください!」

「貴方達が1番落ち着いてください!!」

骸にツナ、それと草壁はゼィゼィと息をしながらも耳を澄ませている。
隙を与えない激しいツッコミ合いで呼吸が整わないのは不覚だったが、今は雲雀と凪の事が第1。
それを見ていた女中さん達はクスクス笑いながら骸達を見守っている。


無論、雲雀に骸達の会話がダダもれなのは言うまでもない。




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