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「だぁあああーーーッッ!!!!」

朝早く、驚きの雄叫びがビルの最上階から上空へと響いた。




「な、なななな何で骸君が!
しかも抱き締め…ちょ、夢なら覚めて!!」

「……ン…ん…朝から煩いですよ。」

かなりパニックを起こしている白蘭は、自分の置かれた状況をよく理解していないらしい。
それもそのはず、関係者には絶対入らせない自室に骸がいたのだから。




「んぅ…勝手に部屋に入ったのは謝罪しますよ。」

「だけど、」

「ですが、体はもっと大事にしてください。」

「それはわかったけど何で骸君がここにいるの!!
部屋ならあげたでしょ!」

「貴方、暇つぶしの相手をしてくれるんじゃなかったんですか?」

「げ、そういうワケ?」

「当たり前です。
なのに仕事となれば放っておいて…最悪です。」

「でも骸君、昨日かなりご機嫌ななめだったし。」

「それなら抱き締めるとか、対処法はあったでしょう?」

傍にいてくれるだけでよかったのに。

ロマンチストである骸は、不機嫌な時でも人肌が恋しくなる。
だが白蘭は気に触るといけないので、放っておく事にした。
それが爆弾を爆発させることとなった。

だがそれとこれとは話が別。
骸が白蘭の目元に触れたとき、骸の細い手首を掴んで真剣な表情になった。




「…プライベート、なんて理屈は聞き飽きましたよ。」

「……何も、見てないな。」

「はい。」

思わず肩を震えさせるほどの威圧に骸も驚く。
今までに見せたことのない真面目な表情、いや血に飢えたハイエナのような雄の目付き。
いつもと違う白蘭のギャップに、骸は何故だか鼓動が速くなる。
しだいに顔が熱くなり、思わず目を逸らせてしまった。




「?」

「っ何でもありませんよ。」

貴方にこんな顔があるなんて思いもしりませんでした、なんて口が裂けても言えません。
心の中にしまっておきます。

またもや背中を向けた骸に対し、白蘭は欠伸かため息かわからないぐらいの息を吐いた。

…そういえば、昨日足で蹴った生暖かくてふにゃふにゃしたのは骸君だったのか。




「そーそー骸君。
君さ地元からお呼ばれしてるよ、だから1回撤退した方がいいね。」

「……………はい?」

……何だって?
地元、というかボンゴレから帰省コールですと?
突拍子もなく何故?
沢田綱吉なら昨夜イタリアへ帰ったはずでは?




「………僕、失格ですか。」

「いやいや違う違う!
何かあっち側から呼び出しがあってさ、とにかく緊急の連絡なんだって!」

「わざわざイタリアへ帰れと?」

「ううん、日本支部。」

「…は?」

本部かと思いきや日本支部ですと?!
沢田綱吉はイタリアへ帰りました。
日本、支部?
何か裏がありそうな話ですね。
しかし、日本支部にいったい誰がいるのです………か。




「……どしたの?」

「…緊急の任務とあればしょうがないですね。
では帰省でもしてきますよ。」

乱れたワンピースを整えて髪の毛をある程度手で梳かす。
これで廊下に出られる格好になった。
そして骸は、また戻ってきますからねと言い残して部屋を出ていった。
その背中に手を振って見送り、白蘭は寝ていたベッドに目をやった。

女物のアクセサリー。
洗濯でも落ちなかった赤い印。
よく見れば自分の首にも。




「ほ、本当にバレないで良かった!!!」


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