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「飽きたら見捨てていいからね。」

「はい?」

骸を押し倒していた白蘭は、ギリギリの理性で立ち直りベッドに腰かける。
このまま抱くような空気だったが、少し名残惜しい感覚だけれど骸との距離を置いた。




「僕のことが好きだとか言ってたけどさ、もし飽きたのなら何処に行ってもかまわないから。」

「そう、ですか。」

乱れたワイシャツを整えながら骸は起き上がる。
どちらも止めることができず、唇はいつもより赤くなっていた。
それぐらい相手に惚れた証なのだろう。
別に少女漫画チックな展開は求めてない、というか互いに少年少女みたいな年齢でもないけれど。




「大丈夫ですよ、絶対にこちらから離れませんから。」

「へぇ、随分と意気込んでんじゃん。
僕が今まで見てきた女性は皆、一晩で終わるような関係だったからね。」

「一晩?!」

「あ、特に抱いてないから。
キスだってあんなに深い追いをしたの骸君だけだし。」

「なっ
別にそこまで聞いてません!!」

自分で質問しておいて自爆している骸を余所に、どこか可愛いなと思ってしまうのは相当危ない。
だけどもうキスまでしてしまったので、仕方がないことだと片付けた。




「じゃ、そろそろ行こうかな。」

「え、何処に?」

白蘭は弾みを付けてベッドから立ち上がると骸にニッと笑ってピースをする。




「骸君のお着替えの調・達!」

「え、そんな…。」

「昨日着てた服だってボロボロなんだから、あんなの着てたらまた襲われるよ。」

ある意味ねー、と言い残す白蘭はそそくさと部屋を出ていった。
上着の買い物はやりやすい、街中の女性を見ていれば誰だってファッションセンスは身につくもの。
先程のように、下着を買うよりかはずっと楽だ。




「……………。」

シン、と静かになった部屋。
取り残された骸は再びベッドへと身を沈め、ただ白蘭の帰りを待つ。

ふと頭の中を過るのは、今まで自分に無かった恋愛という文字。
恋には簡単に落ちるもの。
相手を安易に決めてはいけないと世間は言うけれど、だったら何故一目惚れなんてこの世界に存在する?
誰かが望んでいるわけではないのに。
勝手に惹かれて勝手に抱かせて、勝手に…。

世程緊張していたのだろう、自分の整った心搏数は眠気を誘うものだ。
シーツを一撫でし、微かに残る白蘭の温度を感じながら骸は目を閉じた。

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リゼ