永遠、橙色の刃
「ジ、ジオ?
ジオってこんな趣味あったっけ?」
「いや、別に恐いような儀式はしていないが…ツナ?」
「俺、墓場はちょっと……。」
怖がりなマフィアランキング、ダントツの1位を誇るツナ。
そんな人間が墓場に行けばお決まりのように全身が硬直していた。
しかもイタリアという外国の列記とした墓はさらに恐怖を掻き立てる。
先程からギャーギャー騒いでいる様子のツナを見たジョットは、またボンゴレ10代目(のツナ)について1つ学習したと納得。
しかも時間は午後6時。
夏の日長のせいで、あたりの景色は見る見るうちに夕焼けに染まっていく。
そのオレンジ色の光が、妙に墓場の恐ろしさを引き立てていておぞましい。
不気味に感じられる墓場の中心、ジョットはスタスタと歩く。
ついていこうとツナも後を追い掛ける。
「………………。」
「………………。」
「………………。」
「………………。」
無言のままジョットは歩き続ける。
ツナは(考えたくもないけれど)、もしジョットが幽霊とかだったらどうしようと考える。
この前にあったロメオとの激闘(?)があった肝試し大会。
またあんな事みたいになったらもう終わりだ。
此処には今、ジョットと自分一人しかいない。
いざという時は戦うか逃げるしか他ならなくなる。
…でも勝てるだろうか?
いやいや、偽物なら零地点突破を使っても効果はあるはず、でも…。
そう考えながら歩いているとジョットは急に立ち止まる。
もちろん、前を見ずに考えながら歩いていたツナはジョットの背中に顔面衝突をした。
ドンッ
「ッ〜!
…ん?ココ何処?」
「俺の部下の墓だ。」
殺風景の中、ひっそりと継承されている1つの墓石。
苔がむしている墓石には、何と彫られているのかがわからない。
ジョットは真剣な眼差しで静かに墓に向かって合掌をする。
「………そんなに凄い人達だったんだね。」
ツナは直感的にジョットを敬い、信頼している部下の姿が目に入った。
そんな部下を無くしたら、クールで冷徹といわれているさすがのジョットも内心は傷ついているのがわかる。
そんなジョットを余所にちょっと座り込んでいるジョットに触れて抱きついてみる。
「うん、生きてる。」
「ん?」
ジョットが幽霊じゃないことに一安心し、いっきに力が抜けたツナ。
ガクンと一気に体重がかかりジョットはたじろぎながら立ち上がろうとする。
「な、なんか腰が抜けた……。」
「フッ、
じゃぁ帰るか。」
Forever With You.
(永遠の命なんて在りえない)
(だから後悔しないように今を生きる)
08,06/09
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