You're a good match for me.









「まったく、お前はもう少し慣れろ。」

「しょ…うがないでしょ!
ドラマとかあまり見ないしっ」

ラブシーンを見ただけで顔が真っ赤になる人間がこの世にいる。
また新たな知恵を身につけたジョットは綱吉をまじまじと観察していた。

風邪でも熱でもないのに、いつの間にか赤面している隣の子供。
ドラマの展開よりも、綱吉のほうが気になってしょうがない。
これでベッドシーンなんて見せたら本気で怒られるだろう。




「耳で囁かれるの弱いしな。」

「めったにそういう場面に出くわさないから慣れてないだけ。」

「すなわち、今度からして欲しいということか?」

「…普段からそんな調子だったら逆に嫌かも。」

「確かに。」

「改めて思うけど、ジオって本当に気分屋だよね。」

「さっきのシーン巻き戻すか。」

「ゴメンナサイ。」

恋愛ドラマは慣れていないが、ストーリーが気になるので見ている。
綱吉の理由は単純だった。

その綱吉の謝罪はあえて聞こえなかった事にして、ジョットはリモコンへ手を伸ばした。
しかし、綱吉がいち早くリモコンを回収したためジョットの手は何も掴めずに終わる。

しばらく2人は目を合わせた。
綱吉の睨みとジョットの瞳、勝ったのは無論ジョット。
気迫という名の色気に負けた綱吉は、ソファーから立ち上がってその場を去ろうとした。
ちゃっかりリモコンは持ったまま。




「おい、ツナ。」

「ジオのケチ。」

「は…?」

「策略とか考えられる頭があるなら…い、色気とかいらないでしょ。」

「‥‥‥‥‥。」

「天才にエロさなんて必要ありません!」

「いや、途中からお前の個人的な意見が入っているぞ。」

とりあえず体重が軽い、というか体系が小柄なので綱吉を持ち上げるのにはそんなに力はいらなかった。
膝の上に乗せたらリモコンは奪還。
そして綱吉の不安げな視線を無理矢理テレビの方へ向かせる。
瞬間、ジョットの方へと反射的に振り向いた。




「もしかして俺で遊んでる?」

「今更気付いたか。」

ドラマの世界ではいい雰囲気になっていて、恋人同士がかわすキスがハンパ無い。
もう1回綱吉を振り返らせるとどうなるか。

結果的に、綱吉の肘がジョットの鳩尾に入った。




「ばッッかでしょ!!」

「っ‥我ながらいい感じの嫌がらせだったな。」

「そこ納得しないでくれる?!」

「ほら、ベッドシーン寸前。」

「!!!」

「……消音とは考えたな。」

「…………。」

「今『俺、天才』と思っただろ。」

「ケダモノ。」

「お前がな。」






(本当に肉食系だよね)
(お前とは出来が違うからな)




フリリク企画に提出。

10,06/27[更新]
10,03/03[完成]
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