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※裏注意






夕日が綺麗な下校時間。
いつもの金髪が茶髪と一緒に歩いていた。
いつも乗ってくる外車は校門のすぐそばに置いてある。




「あの人にも仕事があるんだね。」

彼がマフィアなんて、現実味がなくてつい忘れるよ。

雲雀は応接室からディーノを見ていた。
隣にいるのは茶色の長髪で、おしとやかな格好をした女。
これがマフィアの世界の仕事というなら、風紀委員の仕事よりさぞかし楽だろう。
接待して呑んで戦って、
しかし雲雀にとっての唯一の盲点は群れの中に入ること。




「僕には関係のない話か。」

雲雀がそのまま観察を続けていると、2人は校門の近くで喋っていた。
しばらくしてディーノが女に向かって手を振るしぐさをする。

やっと終わったのか、そう思って雲雀が見ると、女がキスをねだるように顔をつき出していた。
ディーノは困ったような顔をしていたが、雲雀はたいして気にしてない。
ファーストキスというものにこだわらないので、女のねだりぐらいでは動じなかった。

嫌ならさっさと済ませればいいのに、
そう思っていた時、ディーノは自ら女を引き寄せて唇を重ねた。




「え‥‥。」

女が飛び付くと思っていたが、飛び付いたのはディーノの方。
片手で後頭部を支え、片手で女の腰を自分の股に押し付けている。

雲雀が驚くほどなのだから、周りの一般人は更に驚いていた。
さすがにディーノも気にしたのか、乗ってきた車まで女を引っ張って押し込んだ。




「……………。」

なに、今の。

雲雀はディーノの行動に苛立ちとモヤモヤ感が募っていた。
車内の様子は見えない。
というか見たくもない。
おそらく予想は当たっている。
これでディーノが着替えて出てきたら確定する。




「何はともあれ、風紀を汚したことに変わりはないね。」

後で咬み殺すと決めた雲雀は、窓を背に風紀委員の仕事を始める。
今朝取った持ち物検査のチェックだけなので、いつもより早く終わりそうだった。

カチ、コチ、と秒針が響く。
雲雀は1枚1枚に目を通し、判子を押したり名簿に印を付けたりする。
しかし5分過ぎると、車内の様子が気になってくる。
ぐっと我慢して10分過ぎたが、やはり気になってしまう。




「な‥‥。」

それどころか、2人の行動を想像しただけで腰を揺らしていた。
椅子がギシギシと音をたてる。
これはマズイと思った雲雀は、すぐに窓の外を見た。




「……………。」

特に変わった様子はない。
ただ、よく見ると車が少し揺れている。




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