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※裏注意




今は夜中の1時。
こんな時間に起きるなんて珍しいが、特に驚くことでもない。




「……………。」

隣で寝ているディーノを起こさないよう、雲雀は静かにベッドから抜け出した。
そして冷蔵庫の中からペットボトルを取り出す。
水をコクリと飲んだ雲雀は、窓の外の明るさが気になった。

今まで薄暗い部屋にいたからなのか、街の明かりがやけに眩しく感じる。
雲雀は窓を開けて外の世界を眺めてみた。




「………きれい…。」

思わずそう呟く。

雲雀はペットボトルを床に置いて、夜の街を上から観察する。
ほとんど水商売の店しかやっていないので、道には酔っぱらいしか見当たらない。
上から見てる分には構わないが、あまり好ましくない雰囲気だった。




「…あんな雰囲気でよく遊んでられるね。」

「お前も大人になればわかる。」

「起きてたんだ。」

「あぁ。
なんか寝そびれちまった。」

ディーノは頭を掻きながら雲雀に近寄ってきた。
気持ちよく寝ているように見えたのは、どうやら勘違いだったらしい。
雲雀は再び夜の街に視線を変えて観察を続けた。




「貴方もこういう時間に遊んでたりするんでしょ?」

「まぁな。」

「それって楽しい?」

「楽しいかどうかは人それぞれだろ。
俺の場合、バーとかクラブじゃなくてパーティーだから。」

ちょっと話が違ってくる。

ディーノも雲雀と同じように外の景色を眺めた。
こんな小規模のパーティーでも、有頂天になれるならそれはもう楽しいだろう。
しかしディーノが普段から出席しているのは、将来に関わるパーティーばかりで、決して有頂天になってはいけない。
ディーノにとっては、少し羨ましい光景だった。

そんなディーノの目を見た雲雀は、窓から離れて再び冷蔵庫の中を覗いた。
そして中から赤ワインを取り出した。




「恭弥?」

ディーノの呼び掛けにも答えず、雲雀はグラスに氷を入れてワインを注いだ。
ホテルに常備されているワインだから、それほど立派なものではない。
だが、一時でもディーノの相手ができるならそれで良かった。




「明日、僕の予定を空けてあげるよ。」

「え?」

「僕でよかったら相手をするけど、」

「…………。」

「一緒にどう?」

ただし、僕は飲酒しないけどね。




「…俺が酔った勢いでお前を押し倒しても、文句は言うなよ。」

「別にいいよ。
ここは店じゃないんだ。」

雲雀の誘いにのったディーノは、冷蔵庫を覗いてぶどうジュースを取り出した。
お返しとまでは言えないが、本人は飲酒はしないと言っているので、これで勘弁してほしい。

準備が整ったディーノはソファーに腰掛け、隣に座っている雲雀にグラスを差し出した。




「……………。」

「安心しろ。
ただのジュースだ。」

「なんか‥子供扱いされたみたいで気にくわない。」

「お前が飲酒はしないって言ったんだろ。」

「……それもそうだね。」



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