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今日の彼は何か違う気がする。





CALL call CALL








「……………。」

いつもの時間。
いつもの場所。
そしていつもと同じ光景。
なのにモヤモヤとしていた。

雲雀が来ているのはディーノが泊まっているホテル。
ベッドの上で寝転がりながら、ずっと天井を見続けていた。




「…あの種馬。」

今日も放課後の学校の見回りの際、外車に乗っていたディーノに捕まってしまった。
僕はいつものことだと思って抵抗はしなかった。
そしてホテルに向かう。
ここまでは普通。
だけど問題はその後。

いつもなら有無を言わさず抱きついてきて、僕に迫ってくる。
なのに今日は無反応。
しかも車内での会話は一切なかった。
僕から話し掛けても、少し反応するだけで会話が成り立っていなくて。




「はぁ…。」

心配しているわけではない。
少し違和感があっただけ。

雲雀が今日を振り替えっていると、ディーノが寝室に入ってきた。
ホテルに着いてから何も食べていない雲雀のために、軽い夜食を運んできたらしい。
ディーノはテーブルの上に夜食を置くと、無言で寝室を出ていこうとする。

だが雲雀はディーノの腕を掴んで引き止めた。




「恭弥‥‥。」

「やっと呼んだね。」

「……………。」

「ねぇ、何かあったの?」

イライラを隠せない雲雀は、眉間にシワを寄せてディーノに詰問した。
しかしディーノは何も答えず雲雀の腕を振り払う。
そして何も言わずに部屋から出てってしまった。
部屋には美味しそうなにおいと、雲雀のモヤモヤ感でいっぱいになる。




「っ…気に入らない。」

雲雀はディーノの後を追い、そして大きな背中に抱きついた。
これにはさすがのディーノも驚き、後ろを振り向く。

やっとディーノが自分を見たことに満足した雲雀は、そのままディーノの背中に頭を擦り寄せ、甘えた声で誘う。
ディーノの名前を呼んではベッドに誘い込もうと必死になった。




「今日は…どうしたの?」

「……………。」

「何があったの?」

「……………。」

「ディーノ‥。」

「っ………。」

「僕…最近してないからたまってるんだ。」

「……………。」

「ねぇ、これって体に悪いことなんでしょ?
教師ならなんとかしてよ。…」

自分で言って恥ずかしくなる。
だがこれはディーノの身を心配した、雲雀なりの心遣い。
もし仕事で嫌なことがあったなら話ぐらいは聞いてあげれる。
それでも傷が深いのなら抱かせてあげてもいい。
雲雀は自分にそう言い聞かせながらディーノに詰め寄った。

しかしディーノは雲雀の腕をほどいて、そのままパソコンに向かってしまった。
さらにヘッドホンなんて付けて仕事に取り掛かる始末。

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