1/4







今日は少し冷えるが快晴。
絶好のバレンタイン日和、なんて女子生徒が騒いでいたっけ。

まぁ、僕には関係ないけど。



















「毎度のことながら、
別に戦いに来てるわけじゃねぇのにな。」

「貴方が僕を満足させてやるって言ったんでしょ?」

雲雀とディーノは屋上でそれぞれの武器を構えていた。
バレンタインだろうが何だろうが、ディーノが並盛にいれば戦う。
それが当たり前になってきた。

しかし今日はそのバレンタインのせいで甘い匂いが漂っている。
並中近くで出店でもやっているのか、嫌でも嗅いでしまうのだ。




「覚悟はいいかい。」

しかしそんな不快な場所でも標的がいれば手段は選ばない。
先手必勝、
雲雀はトンファーを振り回しながらディーノに接近する。

だがディーノの鞭が邪魔して思うようにいかず、いつものパターンで長期戦となっていた。
もう10分以上経つが、終わりが見えない。




「満足させるのと修業をやるのとはイコールじゃねぇだろ、
ッて危ね!」

「僕を満足させたければ黙って咬み殺されなよ。」

「ったく、恭弥らしい。」

華麗に鞭を捌きながら雲雀の攻撃を妨害していく。
その度に見せてくる笑顔は本気ではない証拠。
自分が必死に倒そうとしているのに相手は余裕そうだ。
そんな状況は勉強にとってもケンカにとっても腹立たしい。




「んー。」

「っ何。」

「恭弥さ、今日何かあった?」

「何でそんなことッ」

「いや、動きがいつもより鈍い。
バレンタインで本命チョコでも渡されたのか?」

「ッ!」

ディーノの一言に火が点いた。
雲雀は眉間にまゆを寄せてディーノへ突進した。

本命?
そんなの興味無いよ。




「くだらないね。」

「へぇ、
やっぱガキはそんなもんか。」

「なっ」

「相手が自分の為に作ってくれたのに干渉しない、そんで感情任せに行動するが集中できない。
これじゃ自己管理ができないガキだぜ。」

「うるさい!」

雲雀は力をこめた一撃をかまそうとトンファーを振り上げた。
これでケリをつけてやる、
そう思った雲雀が大振りになった瞬間、ディーノの鞭が雲雀の掌に当たってトンファーが床に落ちた。

これにはさすがのディーノもやりすぎたと感じて、雲雀のところに駆け付ける。




「わりぃ恭弥!
一瞬本気になっちまって…大丈夫か?」

「本、気…?」

じゃぁ今まで戦ってきたのは余裕だって事になる。
雲雀は怒りを通り越してどうでもよくなり、盛大なため息を吐いた。

そしてヒリヒリと痛む手をかばいながら1歩ずつ出口へと向かう。




「……………。」

敗けた。
その屈辱が積み重なって、もうどうでもよくなってきた。

ディーノは隣にいた部下に治療とかなんとか言っているが、雲雀は無視。
重い足取りで応接室へ帰る。




「だぁ!
ちょ、待てって恭弥ッ」

「何。」

「何って、そんな大事じゃねぇけど手見せてみろって。」





[*前へ] [#次へ]

戻る
リゼ