それではこれから、










「そのさ、
“またかよ”っていう目やめてくれる?」

「だって恭弥が。」

「悪いのは、無断で貴方がここにいることだよ。」

学校の屋上。
いつも通りに階段を上ってドアを開けたら、何故だか知らないけど学校に想定外の部外者がいる。

だが、その部外者とは何回も戦ってきた場所なので違和感はない。
雲雀は早速トンファーを両手に構えた。
それを見た部外者は、ため息を吐いて手を上げた。




「今日は戦いにきたわけじゃねぇ。
人探しに来たんだよ。」

「人探し?」

「京子とハルがケーキを買いに行ってきてくれたんだが、遠い町まで行ったらしくてな。」

そのお迎えだ。

タンクの上から町の景色を眺めているディーノは、簡潔にまとめて雲雀に説明した。
ケーキぐらい自分で買ってくればいいのに、
そう呆れながら雲雀はトンファーを仕舞って、フェンスに腕を置いた。




「まったく、
アレじゃないの?」

「ん?」

雲雀が指をさした方向には、やけに目立つ車と黒いスーツ。
そして可愛いげのある格好で挨拶をしている少女約2名。
どうやら先に部下達が見つけたらしい。

あの野郎共っ、
と言いながら笑顔でタンクから飛び降りた。
そして綺麗に着地する。
今は部下がいないのに、こういう奇跡もあるのか。
雲雀は背後から聞こえてくる音でディーノの行動を読んでいた。




「じゃぁ俺は戻るとするかな。」

「…………。」

「お、恭弥も来るか?」

「僕が群れるわけないじゃない。」

「ははっ
やっぱりな。」

久しぶりに会えたのに戦えなくてゴメンな。

ディーノは申し訳なさそうに言うが、雲雀は気にしないそぶりを見せている。
だがディーノは雲雀の不機嫌さを理解し、頭や頬を撫でて宥めた。




「本当に学校が好きだよな。」

「…………。」

「休みでも学校に来るとか。」

「暇だったからね。」

「そっか。」

ピタリと止まる手。
ただ置かれているのに物凄く重い気がする。
雲雀のしかめっ面に、ディーノは手を顎に添えて軽いキスをした。

現状の意味がわかった雲雀は、別に反抗や抵抗などをせずに受け入れる。




「…………。」

「…………。」

「…………何。」

「いや、
恭弥は大人なんだなって。」

「何で。
キスとか生殖行為とか、そっちではスキンシップとして当たり前なんでしょ?」

「…………お前さ、
事は早く済めばいいって思ってるよな。」

「悪い?」

「いいや。」

成長しすぎだろ。
ディーノは照れ臭そうに前髪を上げると、自分が子供みたいに思えてきて恥ずかしくなった。

すると雲雀はディーノの胸倉を掴んで背伸びをする。




「もう終わり?」

「恭弥、さん‥?」

「一ヵ月分、まだ足りないんだけど。」

挑戦的に言えばディーノはそんなに経ってたっけな、と腰を屈めて身長を合わせた。









(…あ、そう言えばアイツら)
(また借金重ねる気なの?)
(まさか)




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とにかく青春っぽく。

09,01/05
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