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Dive into your fire









「いたたた…。
何もあんな強く叩かなくても。」

「呼んでも起きないお前が悪い。」

午後の授業がとっくに始まっている頃。
保健室で(怪我人として)ぐっすり寝ていた綱吉だったが、ジョットの鉄槌によって叩き起こされた。
というか叩きのめされた。

怪我によってだるく感じる体を引きずりながらも、綱吉は生徒会室に辿り着く。
そしてジョットに、ソファーで休めと促された。
すると綱吉は遠慮なく寝転がり、ジョットの上着を自分の体の上にかけた。




「でもいいの?」

「何がだ。」

「保健室。
まだ怪我人が出るかもしんないのに、勝手に閉めちゃって。」

「問題ない。
先客をゆっくり寝かせることが優先だからな。」

綱吉を起こす際、
ジョットは綱吉の頭を叩いたり、ベッドのシーツを剥がしたりして、保健室でギャーギャー騒いでいた。
なのに隣のベッドで寝ているやつらは起きない。

どんなに疲れていようとも、学校に支障が出るなら綱吉のように叩き起こし、仕事に向かわせるのが生徒会長のやり方。
だがディーノや周りの教師がカバーしてくれているおかげで特に問題は無い。
なのでジョットは2人を見逃し、それどころか誰も入らないよう保健室に鍵まで掛けた。




「意外と優しいんだね。」

「まぁ、お前がいつも世話になってるやつらだからな。」

ジョットはそう言って生徒会の仕事に手をつける。
ソファーに寝転がりながらも、綱吉はジョットの真面目な姿を観察した。




「…………。」

「…………。」

やっぱり、真剣な顔が好きかな。

クールだからといって、いつも真剣な表情とは限らない。
ジョットに1番近い存在である綱吉は、ジョットの全てを理解している。
と、勝手に思っている。




(あ…嫌そうな顔をした)

ほんの1瞬だけ、
ジョットの眉間にしわが寄った。
誰かに確認を取らなければならない書類なのか、それともラブレターなのか。
小さく折ってゴミ箱に捨てたということは、ラブレターなのだろう。

もちろん嫉妬はするが、どんな内容か気になるのが思春期というものだ。
綱吉はのそのそと起き上がって、ゴミ箱の中から先程の紙を取り出す。
そして広げてみた。




「……図書室の管理?」

「小さく折って捨てておけよ。」

「でもこれ先生と確認しないといけないことじゃ、」

「図書委員が綺麗に整っていると言っているんだから事実だろ。
別に俺が再点検するほどのことではない。」

「えぇー、じゃぁ俺が代わりにやってこようか?」

「そんな余裕があるなら授業に出てこい。」

「テスト前の自習だから行かなくても平気だよ。
先生もいないし。」

「まったく、」

これは後で担任に報告しないとな。




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