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「邪魔してごめんね。」

「別に…怒ってない。」

「怒ってる。」

君は昔から、嘘を隠すのが下手だからね。

見下されるのも嫌いな恭弥だが、よしよしと頭を撫でる手は振り払わない。
ついでに髪の毛を耳にかけてやれば気持ち良さそうに目を閉じた。
恭弥から怒りが無くなったと解釈した恭は、しばらくしてから静かに手を放す。




「どうせ、あの女に会いに来たんでしょ。」

「ご名答。」

「だったら早く口説き落としなよ。」

「何、応援してくれるの?」

「校内の教師に手を出されると風紀が乱れる、それだけだ。」

「そう。」

素っ気ない態度でも、恭弥なりに兄を気遣っている。
だが反面、兄が誰かのものになる事を嫌がっていた。




「心配しなくても。
僕は一生、君の兄だよ。」

根は優しく、それでも嫉妬深い。
可愛らしい一面を持つ恭弥に、恭はトンファーを返した。
すると恭弥の口が小さく開く。




「昼御飯…。」

「?」

「昼御飯を買ってきてくれたら、10分は許してあげる。」

弟の言葉に恭はキョトンとする。
照れながら、そして寂しそうな顔で恭弥は言った。




「ッ僕の好きそうなものだよ。」

「わかった。」

恭弥の条件に同意した恭は、ありがとうと告げて校内へ入っていった。

そんな兄の大きな背中を見送ると、恭弥は倒れている風紀委員の処理を行う。
いつもだったら殴っているだろうが、今は機嫌が良い。
恭弥は風紀委員を起こし、そのまま手当てをし始める。


そして一部始終を教室の窓から見ていた教師と生徒は、ほのぼのと兄弟を観察していた。




「珍しい。
雲雀チャンが手当てしてる。」

「お兄さんに会えて、相当嬉しかったんでしょうね。」

白蘭は持っていたマシュマロを頬張ると、綱吉にもマシュマロを手渡した。
何かとゆるい繋がりの2人は、毎日のように兄弟を見守っている。
理由は簡単、おもしろいから。




「ああ見えて結構甘えるタイプなんだ。」

「昔、お兄さんの布団にもぐり込んで寝てたらしいですよ。」

「これは跳ね馬も苦労したね。」

「確かに。」

「あ、今こっち睨んだ。」

「そういえば、先生とも仲がいいですよね。」

「違う違う。
あっちが何かと突っかかってくるんだよ。」

僕の何が気に入らないんだろう、なんて白蘭は言っているが原因は手に持っているマシュマロだろう。
校内へのお菓子の持ち込みは禁止されているのに、堂々と持ってきている。
しかも食べている。
今も雲雀に見せつけるようにしてマシュマロを指で押していた。




「本当に、よくわからない兄弟だね。」

「……………。」

ボケているのか本気なのか。
本当はツッコミを入れたいところだが、言っても直らないだろうと考えた綱吉は、話を流した。





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