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お互い波長が合ったことなんて1度もない。
性格も雰囲気も人間性も全て逆。
だからこそ惹かれるのかもしれない。






Rendezvous







「…大人が寝れるようなところは無いよ。」

「ご心配なく。
ちゃんと大人用のベッドもあるので。」

そう言ってちゅ、と白蘭の鎖骨に口付けた。
保健室に置いてある大きなソファー、そこに座る白蘭の上に骸は跨がっている。
学校でこんな風に擦り寄ってくるのは、我慢しきれていない証拠。
白蘭に触れたいときは誰もいない準備室や休憩室、そして今いる保健室に来ている。

保健室は薬品の臭いがして居心地がいいとは言えないイメージだが、ここは違う。
薬臭くない、むしろ誰かの家のような感じで馴染みやすかった。




「そのまま寝るとスーツにシワができるよ。」

「その時は脱ぎます。」

「あー…それだと僕が元気になるから止めて。」

「相変わらずですね。」

「君もだよ。」

白蘭が困ったように辺りを見回すと、カーテンで仕切られたベッドが目に入った。
あそこには今、綱吉が寝ている。

恭弥の鉄槌を受けた綱吉は、白蘭によって保健室に運ばれた。
そして治療が終わるとパタリと倒れてしまったので、今は安静に寝かせてある。
担任である骸は綱吉の状態を確認しに来たのだが、白蘭がいると話は別らしい。




「骸君…。」

「最後までとは言いません。
ですが、少しぐらいならいいでしょう?」

骸はシャツのボタンを外して、自分の首筋を白蘭に見せる。
傷のない綺麗な肌。
キスマークが消えてしまったので、また付けてくれと言っている。

いつもなら骸の誘いにのって抱いているが、学校で本気を出すと風紀委員よりも生徒会がうるさい。
第一、情事の骸の姿や声を聞かれたくない。
なので、どんなに可愛くても今は我慢するしかなかった。




「後でどのくらいサービスしてくれる?」

「貴方の態度や言動で決まります。」

「へぇ、プライベートにも成績をつけるんだ。」

「今のところ、貴方は顔とスタイル以外は赤点ですけどね。」

「うわ厳しい。」

白蘭に出会う前の骸は鬼だった、
ついさっき綱吉に言われたことを思い出して、ふふっと笑ってしまう。




「君のその愛情深いところ、好きだな。」

綱吉には理解できないかもしれないが、厳しいということはそれだけ世話を焼いていること。
いつも憎まれ口を叩いているが、全ては生徒を成長させるため。
厳しく叱るほど気にかけている。
そんな骸を見ていた白蘭は、純粋に綺麗だと思っていた。




「…口説いても評価に入れませんので。」

「これからは口説きも評価の中に入れといて。
そうすれば成績優秀者になれるから。」

白蘭は骸の首筋や首もとにキスをして、軽く吸い付いた。
これは骸が望んだこと。
ちゃんとワガママを聞いているのだから、それなりの評価をしてもらいたい。




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