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※骸♀、裏、
主人×メイドパロ注意







「白蘭様、お手紙が届いてます。」

「あぁ、じゃぁ全部持ってきちゃって。」

そう返事をしてメイドが持ってきたのは山のように積まれた手紙やはがき。




「…何これ。」

「この間のパーティーで、またやらかしたんでしょう。」

「全然覚えてないんだけど。」

「ですが、この手紙の差出人の方々は覚えているそうですよ。」

「読んだ?」

「名前を見ればだいたいわかります。
とりあえず重要そうなものほど上に置いておきました。」

「うん、ありがと。」

屋敷の主人である白蘭は、メイドから手紙の山を受けとる。
そして仕事の合間にちょくちょく確認していった。




「……これは…隣街からで、
これは僕の古巣から。」

確かに、重要な内容のものとそうではないものがキレイに分けられている。
中身を読んだわけではないのに、どうしてわかるのか。

つくづく有能なメイドに驚かされた。





「…本当、君を雇って良かったと思うよ。」

白蘭が骸を見つけたのは小さくて貧しい街。
そこに何をやらせても完璧にこなす有能な女がいると聞き、どのくらい凄い人間なのか興味を持った。

結果的に白蘭はその有能さを買い、自分の屋敷に雇って今に至る。
あれから数年。
白蘭はこの街に住み着き、街との連携を上手く保っている。

それもこれも、骸の助けがあったからこそだ。




「それはそれは、
僕は厄介なのに捕まってうんざりしてますよ。」

「君の憎まれ口も、今じゃ頼もしく聞こえるね。」

「クフフ。
まぁ、貴方が約束を守ってくれるなら僕は何でもしますからね。」

白蘭が骸を雇う際、骸は条件を出した。

それは、
白蘭がこの街のために働き、豊かにしてくれること。




「今年の作物とかはどんな感じ?」

「今のところ、去年より豊作が期待されてます。」

「そっか。
じゃぁ明後日あたり畑で力仕事でもしようかな。」

「おや珍しい。
貴方が力仕事なんて。」

「ちょっと体が鈍ってきちゃったからさ。」

「パーティーなんて、ろくなものではありませんね。」

「でもこの街の存亡に関わることなんだから多目に見てよ。」

「これは失礼しました。」

白蘭は出された紅茶を飲んで、仕事に一息入れる。
そしてテキパキと身の回りの世話をする骸を観察した。




「……………。」

細い体にも関わらず、力仕事もお手のもの。
蒼い髪はどんなに乱しても絡まないし痛まない。
白い肌には、くすみやシミは1つも無い。

何もかもが完璧すぎる。




「もういい加減、
僕のお嫁さんになりなよ。」

白蘭はカップを机の上において骸の反応を見る。

主人と言われても健気な男。
一緒に過ごすうち、白蘭は骸を女として見てしまうのは当然のことだった。
しかし骸はそんな簡単ではない。




「懲りない人ですね…。」

それは丁重にお断りしたはずですよ。




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