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誰かを好きになる時、
理由なんかは必要ないの。
「ぁ‥びゃく…らっ」
「うん。」
「ンっ‥ん、」
軽くキスをした後は涙を舐めとられる。
もう泣かないよう、最後は指で綺麗に拭き取ってくれた。
そして白蘭の性器が挿入される感覚に、何故か口が閉まらない。
「ッ…無理してない?」
「ぁ…ァ…イイッ」
「そう…。」
「はやく……っシて…。」
自分にしては珍しい告白。
ちゃんと伝わったのか、白蘭は骸の首筋にキスマークをつけながら律動を開始する。
骸も頑張って白蘭の首筋にキスマークをつけようとするが、上手くできずただ舐めているだけ。
それを見た白蘭は、無理をさせないよう首筋から唇へのキスに変更。
そのままベッドに押し付ける体勢をとれば、少しは楽になったはず。
くちゅくちゅと可愛い音だった律動は、時間が経つにつれて奥ばかり狙った鈍い音へと変化していた。
「ぁッあぁッ‥ン、はぁッ」
「熱い…っ」
「ぁッも、おく‥ッばっかり…はぁンっ」
「は…いい締め付けだね。」
本当、売春でもやったら人気になると思うよ。
この締め付け加減といい、この亀頭といい、このロマンチスト性といい。
独占欲がわいてくる。
「びゃく…ッイく、ィっちゃ‥ぁッ」
「いいよ…骸。」
「ぁんッびゃく、らァっ…びゃくッ‥ぁ、あぁぁッッ」
「っは、」
何度突かれたのかはわからない。
最後に名前を呼ばれ、体が愛しいと反応したと同時に果てる。
目を開ければぴゅるっと精液を垂れ流しているペニスと、汗をかいている白蘭が視界に入った。
「はぁ…はぁ。」
「ぁ、びゃく…ん……。」
「ン、」
このキスは自分だけが受けていたい。
叶わない願いを押し殺して舌を舐め合った。
優しくて軽いけれど、簡単には離してくれないキス。
後孔は白蘭の愛液をゆっくり味わって、少しずつ満たされていった。
「びゃくら‥‥。」
「痛くなかった?」
「いえ‥。」
ならよかった。
そう言って頬を撫でる手。
宥める言葉。
そして何気ない気遣い。
白蘭の言動で一喜一憂している自分が憎い。
この感情が芽生えたせいで、ただの抱き合いに情けというものを求めてしまう。
「白蘭…。」
「ん?」
「今以上は求めませんから…1つだけ。」
「?」
「面倒くさい奴になりますから、」
「…………。」
「必要以上…優しくしないでください。」
こんなに気を配られたら、誰だって期待してしまいますから。
くぷ、と音をたてて性器が抜かれる。
しばらく沈黙した後、白蘭はペットボトルの水を口に含んで骸にキスをした。
いわゆる口移し。
喘いで乾ききった喉を潤すには最高のご褒美だった。
「っん…は。」
「これでも僕の愛は伝わらないの?」
「なん、で。」
「こんなにキスするのは、ぶっちぎりで君だけだよ。」
「……………。」
「君のココ、柔らかいから好き。」
「ンふ、」
目がトロンとしているだろう。
体が思うように動かず、白蘭からのキスを何度も何度も受けてふやけてきた。
このキスも愛撫もセックスも、本当は軽い火遊びのつもりだったはず。
でもそのちょっとした火遊びで大火傷をしてしまった。
これはかなり大誤算でしたね。
壊滅した心のままで
(Sex & Crash & Rock)
10,04/21[完成]
10,10/27[更新]
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