2/2





誰かを好きになる時、
理由なんかは必要ないの。









「ぁ‥びゃく…らっ」

「うん。」

「ンっ‥ん、」

軽くキスをした後は涙を舐めとられる。
もう泣かないよう、最後は指で綺麗に拭き取ってくれた。
そして白蘭の性器が挿入される感覚に、何故か口が閉まらない。




「ッ…無理してない?」

「ぁ…ァ…イイッ」

「そう…。」

「はやく……っシて…。」

自分にしては珍しい告白。

ちゃんと伝わったのか、白蘭は骸の首筋にキスマークをつけながら律動を開始する。
骸も頑張って白蘭の首筋にキスマークをつけようとするが、上手くできずただ舐めているだけ。
それを見た白蘭は、無理をさせないよう首筋から唇へのキスに変更。
そのままベッドに押し付ける体勢をとれば、少しは楽になったはず。

くちゅくちゅと可愛い音だった律動は、時間が経つにつれて奥ばかり狙った鈍い音へと変化していた。




「ぁッあぁッ‥ン、はぁッ」

「熱い…っ」

「ぁッも、おく‥ッばっかり…はぁンっ」

「は…いい締め付けだね。」

本当、売春でもやったら人気になると思うよ。
この締め付け加減といい、この亀頭といい、このロマンチスト性といい。
独占欲がわいてくる。




「びゃく…ッイく、ィっちゃ‥ぁッ」

「いいよ…骸。」

「ぁんッびゃく、らァっ…びゃくッ‥ぁ、あぁぁッッ」

「っは、」

何度突かれたのかはわからない。
最後に名前を呼ばれ、体が愛しいと反応したと同時に果てる。
目を開ければぴゅるっと精液を垂れ流しているペニスと、汗をかいている白蘭が視界に入った。




「はぁ…はぁ。」

「ぁ、びゃく…ん……。」

「ン、」

このキスは自分だけが受けていたい。
叶わない願いを押し殺して舌を舐め合った。

優しくて軽いけれど、簡単には離してくれないキス。
後孔は白蘭の愛液をゆっくり味わって、少しずつ満たされていった。




「びゃくら‥‥。」

「痛くなかった?」

「いえ‥。」

ならよかった。

そう言って頬を撫でる手。
宥める言葉。
そして何気ない気遣い。

白蘭の言動で一喜一憂している自分が憎い。
この感情が芽生えたせいで、ただの抱き合いに情けというものを求めてしまう。




「白蘭…。」

「ん?」

「今以上は求めませんから…1つだけ。」

「?」

「面倒くさい奴になりますから、」

「…………。」

「必要以上…優しくしないでください。」

こんなに気を配られたら、誰だって期待してしまいますから。

くぷ、と音をたてて性器が抜かれる。
しばらく沈黙した後、白蘭はペットボトルの水を口に含んで骸にキスをした。
いわゆる口移し。
喘いで乾ききった喉を潤すには最高のご褒美だった。




「っん…は。」

「これでも僕の愛は伝わらないの?」

「なん、で。」

「こんなにキスするのは、ぶっちぎりで君だけだよ。」

「……………。」

「君のココ、柔らかいから好き。」

「ンふ、」

目がトロンとしているだろう。
体が思うように動かず、白蘭からのキスを何度も何度も受けてふやけてきた。

このキスも愛撫もセックスも、本当は軽い火遊びのつもりだったはず。
でもそのちょっとした火遊びで大火傷をしてしまった。

これはかなり大誤算でしたね。






(Sex & Crash & Rock)



10,04/21[完成]
10,10/27[更新]

[*前へ] [#次へ]

戻る
リゼ