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※裏注意。








「……ん、」

静寂。
それが目覚めて感じたものだった。

もう自分以外の気配はない。
あったとしても、数日前にここを立ち去っている。




「っ…ふぁーあ。」

ベッドから起き上がった白蘭は窓の外を見た。
骸が出ていった、というより出ていかせたあの日。
骸は最後に白蘭の目の前で窓ガラスを叩き割って部屋を飛び出していった。

それから放置されている窓ガラス。
落ちた破片は危ないので丁寧に掃除をしたが、肝心の窓ガラスは割れたまま。




「これじゃ…未練がましいね。」

白蘭はさすがにもう直してもらおうかな、と思いながら携帯へ手を伸ばした。




「…………あ。」

着信あり。

携帯の画面には着信のコマンドがある。
誰から、というのは雰囲気でわかっていた。




「はは、こんなに懐かれるとは思わなかったな。」

僕はただ飼い馴らしただけ。
一般的にそういうのをブリーダーって言うんでしょ?
これは躾けたら終わりなんだよ。
別に懐かせるのが仕事じゃないんだ。
盲導犬を例えにすれば、骸君は理解してくれると思ったんだけどな。




「盲導犬は仕事が済んだら実家に戻るって知らないの?」

だから君をボンゴレに帰したんじゃん。

別れてから数日が経ち、ボンゴレのボスから手紙が届いたりしている。
長々しく書いているが、言いたいことは1つだけ。
骸に何をしたんだ、と。
手紙によれば、あれからろくに食事もしていないし睡眠もとれていないらしい。
白蘭は誤解をさせていると思い、骸に言い放った言葉をそのまま書いて返事をした。

今後どうしたらいいのか、超直感を持つ綱吉君にならわかるはずだし。
遊ばれていたんだと説得させることができたら骸君は元気になる。




「散々帰りたい帰りたいって言ったのに。」

いざ帰ってみたら元気がないって、ワガママすぎだよ。

しかし白蘭の考えはただの言い訳にしかすぎない。
骸がいなくなってから物足りなさを感じるようになったし、仕事に集中できずにいた。
パーティーの参加も興味が湧かないのは、今は誰も抱きたくないから。

そんな心境の中、手に持っていた携帯が震えた。




「……………。」

本当、馬鹿だね。

同じ事は2度も言わないよ。
だって1回で聞いてくれるのが普通でしょ?

白蘭は電源ボタンを押して骸からの着信を切る。
そして割れた窓から大きいガラスの破片を引き抜き、携帯に刺した。




「だって君。
アドレス変えても拒否設定に登録しても効かないから。」




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