Lock Heart






「君、このままだと病んじゃうんじゃない?」

「……知りません。」

って、もう遅いか。
もはや常に意識が飛んでるって感じだよ。

白蘭は一方的に話し掛けている。
反応してくれるのは有り難いが、その声も日に日に弱々しくなっていた。
監禁から1週間目、外に出れない生活はさすがの大人でも耐えられないらしい。




「……っ、」

しかも骸の場合、
動くたびに古傷が痛むので毎日ベッドの上で過ごしていた。




「陰で泣くより、人前で思いっきり泣いたらスッキリするんじゃない?」

「誰も泣いてません。」

「意地っ張りだなぁ。
じゃぁどうすれば元気になる?」

「人前で泣いたり相談して済むような事だったら、既にここから逃げ出してます。」

「これはマジで重傷だ。」

「放っておいてくれれば…それでいいんです。」

「……………。」

それでも、放っておけないのは何でだろうね。
僕にしては珍しいや。

そう思いながら、白蘭は骸の蒼い髪に触れた。
そして骸の体を抱き上げて自分を跨ぐように座らせた。
すると骸は白蘭の肩に顔を埋めて目を閉じた。
同情されると泣きたくなる、骸の悪い癖が出たらしい。




「ッ……。」

「ごめん、泣かせちゃった。」

「わざと…ッですか。」

「違う違う。」

白蘭は少々ぎこちなく骸の体を撫でる。
優しく背中を擦れば、「やめろ」とか「離れろ」とか反抗される。
だけど骸の手が白蘭の服を握っていた。




「……………。」

なんか、平和だなぁ。

白蘭はしみじみとしながら骸の頭を撫でる。
そして骸の頬や額に唇を寄せて軽い挨拶をした。




「君の弱点、教えてあげる。」

「………?」

「その1。
人に相談しないで自分の中で解決しようとする。」

「…………。」

「その2。
甘ちゃんだから人に触れないと淋しくて死んじゃう。」

「そんなことはありません‥。」

「その3。
過度なセックスより、愛撫がネチっこいセックスが好き。」

「知りません。」

「その4。
自分の意見を変えない頑固な性格だから構ってくれる人が少ない。」

「…………。」

「何個当たってたかな。」

いつもの笑顔で白蘭は尋ねる。
骸が落ち着いてきたのを見ると、どうやら該当項目はあるらしい。

でもそれを認めようとしないのが、君の頑固さなんだけどね。




「…その3だけは心外ですね。」

「だって本当だもん。」

「まるで僕が淫乱だと言っているように聞こえます。」

「え、違うの?」

「貴方が性欲不満なだけですよ。」

「……………。」

カチンときた白蘭は、骸を黙らせようと唇で塞ごうとしたが、1瞬の差で先に奪われた。
唇を離せばいつもの不敵な笑み。

やっと骸らしくなってきたと、白蘭はホッとして骸の頭を撫でた。





iss or ex
(これで元気になったかな?)


09,02/08
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