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「…ごめん。」
「ッ…謝るな!」
骸はそう言って白蘭の胸板を力の限り殴る。
だがそれは実に弱々しく、簡単に白蘭に止められてしまった。
「じゃぁ後で言うよ。」
僕の気持ちを。
「っ…ぁ、」
「だから今は続きをさせて。」
白蘭に下着を脱がされ、孔に指を入れられる。
クチュクチュと指を出し入れすれば、骸の腰が跳ねて白蘭を呼び続けた。
すると白蘭が答えるようにキスをしてくる。
骸も白蘭の首に腕をまわして、愛撫を受けながら何回も舌を絡ませた。
殺したいほど憎いのに、
地獄に堕ちるほど幸せ。
白蘭の対応に期待してしまう自分が嫌になってくる。
「はぁ、…ッあん…!」
自分で聞いてて恥ずかしい声を出しながら体は動き続ける。
激しさはあまり変わらないが、何だかペースがゆったりとしていて、いつもとは何かが違う。
だが思考が追い付かないのはいつもと同じ。
ふと白蘭と目が合えば、やはり獣になっている。
「ぁッ…ん、ンッ
びゃく…らっ」
「ん…ここだったよね?」
「あぁっ…やッ
そこばかりっ‥あぁ!!」
孔の中でバラバラに指を動かす。
そして親指で骸のクリトリスを押し潰せば、骸が首を反らした。
快楽に耐えられない体はビクビクと震えて、白蘭に掴まっている力さえ無くなってしまう。
そして骸はソファーの上にパタリと倒れた。
愛撫の段階でこの有り様。
白蘭の言うように、自分は淫乱なんだと改めてわかった。
「骸…。」
その手に自分よりも大きい手が重なる。
子供を呼ぶ母親のような声で呟くので、少しくすぐったい。
けれど、君付けをせずに呼んでくれて嬉しかった。
「ん…っ」
「もう少しの辛抱だから。」
頑張って。
孔に白蘭の性器の先端が当たる。
今すぐでも奥深くに突っ込みたいという気持ちが、熱いペニスから伝わってきた。
恐い時はキスをしてもいい、白蘭がそう言うと唇が重なり合う。
そして白蘭の首に腕をまわして、舌を噛まないよう注意して深く絡ませる。
すると少しずつ白蘭のペニスが孔に入ってきた。
「ン…は……あ、ぁッ」
「いつもよりキツイ‥。」
いつものような愛撫のはずだったのに、膣はいつもよりキツく締め付ける。
まぁそれで快感を得るのがセックスというもの。
しかし、そんな狭い膣に大きな質量を挿れるのもどうかと思うけれど。
「もう…ダメっ
早く抜いて…ッ」
「何で…っ?」
「だって、子供が…できてッ」
「そんなの‥今更だよ骸君。」
(君はもう妊娠してるんだから)
骸は驚いて耳を疑ったが、同時に律動が始まって話せなくなってしまう。
「産んでよ、僕の子供。」
「っ!」
今まで女性との性交で妊娠した場合、その相手とお腹の子もろとも消してきた。
そんな無責任な白蘭の発言。
自分も妊娠したら殺されるに違いないと恐れていた。
だが、その白蘭が自ら望んで子供が欲しいと言う。
矛盾しているが、嬉しくないなんて言ったら嘘になる。
白蘭とのセックスも気持ちいいので嫌いではない。
「ッぁ…あ、ぁンっ」
「っ…ッ骸君、」
「ぁっ‥びゃくらッ…ぁっあぁぁっ!!」
ビクビクと体が跳ねる。
その中に白蘭の精子が注がれた。
それは生温かくて、体の隅々まで浸透するような感じ。
だが、あまりにも多く注がれるので少し怖くなる。
なので荒い息を整えながら白蘭に唇を寄せた。
繋がったままのキスは初めてだが、何故かまた白蘭が欲しくなってしまう。
「っはぁ、ぁ……。」
「…もっと?」
「っ……ばか。」
骸はそう呟いて白蘭の背中にしがみつく。
今はこれで精一杯。
そんな自分の思いが伝わったのか、それでいいと白蘭は言った。
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