king of sadist?
「むーくろくーん。」
「何ですか。」
「充電させて。」
「はい?」
「ハグかキスかセックス。」
「要は死にたいんですか。」
「どうせなら愛で殺してよね。」
「…………。」
骸はソファーにうなだれている白蘭を視界に入れながら向かい側のベッドで読書をしていた。
ばた足をしてソファー水泳をやっている白蘭に対し、骸は冷静に読書を中断して考えた。
いや、これで相手が拗ねたら後々痛い目に合うのは自分ですから。
(本当なら断ってます)
「ではこっちに来てくれたならいいですよ。」
「骸君欠乏症で立てない…。」
「それは残念でしたね。」
「骸君のいけずぅ。」
「たった数歩で幸せが手に入るのなら頑張るところでしょう。」
「…………。」
はぁ、本当にやる気が無いんですねこの男。
散々僕を口説き落として喧しいぐらいに愛を発言しているというのに。
ああそうですか、貴方にとっての僕の存在価値なんてそんなものなんですか。
へぇ。
本当なら現に口で言いたいほどの愚痴を内心で押さえながら、この後どうやって白蘭を誘うかについて試行錯誤を練る。
ドSな白蘭に太刀打ちできるのは今しかない、骸は自分の中にあるSの血を呼び覚まして、ありとあらゆる作戦を提案していた。
「ぅー……。」
「はぁ。」
仕方ありません。
下品ですが、これしか方法が無いようですね。
「ぅ゙ー……。」
「期待してたんですがね。」
「ぅ゙?」
「折角今日はネクタイをしてきたというのに。」
「(グサリ)」
………………ぇ?
ちょ、ちょちょちょちょちよっと待ってってばッ!!!
今聞き捨てならない発言が聞こえたんですけど!
僕の思考で言うならばネクタイ=束縛プレイじゃんッ!
え、ちょっと待ってよその爆弾発言。
いつもの僕ならなりふり構わず骸君とベッドINだよ?!
えぇー、ちょっと無いよー今限定とか。
マジで足が寝てるんだよね今現在、っていうか骸君いつからそんな非道キャラになっちゃったの?
嗚呼、今すぐにでもあっちに行きたい!!!
し、あっちの世界にもイきたい!!
悪夢を見ているかのようにうなっている白蘭を観察している骸。
一方白蘭は骸の誘惑に誘われたかったが、やはり断念する。
いや、本当に足が動かないんだって。
「む、くろぐ…。」
「?」
「そ、その積極性はまた今度に‥。」
「(…………)
そうだ、今日は特注の衣裳が届く日でしたよね。」
「(グサグサっ)」
………え、何それ。
まさか着てくれちゃう系?!
え゙ぇーッ
いつもあんなに嫌がっていたのに積極的すぎるでしょっ
しかも今日の今という時間に限ってさぁ!
もうこれ絶対誘ってるし挑発してるし、しかも何げにマゾになってるよ今の僕。
随分とひっどい事してくれんじゃん。
「…後で絶対仕返ししてやる。」
Don t stop more...
(今日1回も骸君に触ってない)
(別に触れなくていいですよ)
(…やけに冷たいね)
フリリク企画に提出。
09,03/18[完成]
09,06/05[更新]
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