Dead To Shame






それが誰を傷つけた?

考えたことがあるの?









「先に寝てても良かったのに。」

「まだ眠たくないから寝てないだけです。」

「目が死んでるよ。」

「…………。」

「まったく、」

強がりなんだから。

部屋に戻るのは夜遅く。
マフィアのボスになる前からそんな生活をしていたので、白蘭には苦ではない。
でも今日は違う。
いつもの笑顔も疲れているようだし、白蘭の顔が赤くなっている。
これはどういう事かというと。




「また同盟ファミリーを潰しましたか。」

骸がそう呟けば、白蘭の目が一瞬だけ鋭くなる。
そしてベッドで寝転がる骸に抱きついて頭を擦り寄せた。




「何でわかるの…。」

「だてに貴方と過ごしていませんから。」

白蘭が疲れた笑顔を見せるのは、他のファミリーとの接待がある日。
同盟というのは組むのも維持するのも難しく、なおかつ体力勝負なのだ。

どうやら今日は、接待で何かしらやってしまったらしい。
顔の赤らみは誰かにビンタを食らった、というところだろう。




「今日は婚約を迫られたから断っただけ。」

「…………。」

「…言い訳してもいい?」

「どうぞ。」

「ありがと。」

そこから白蘭の話が始まった。
簡潔にまとめると、
婚約を断ったら同盟を破棄してミルフィオーレを潰してやると宣告されたらしい。
馬鹿馬鹿しい話だが、馬鹿馬鹿しい接待の後に言われると、さすがの白蘭でも参っていた。

出会った初日の婚約。
それに何の意味があるの?
考えたことがあるの?
だから何?
うんざりしてる。




「短気な女の子ほど、怖いものはないよね。」

清楚な美人だとか、人気のあるアイドルと言われようが、欲に飢えた一般人と変わらない。
そんな異性と体を交えていたら、人格が変わってしまいそうだった。




「それに比べて骸君は美人だよ。
綺麗で華やかで、真っ直ぐで。」

「…………。」

「僕ももう末期かな…色んな人を見てきたけど、骸君が1番魅力的なんだ。」

白蘭は骸の指と自分の指を絡ませた。
微かに震えている指を握り返すと、白蘭は落ち着いてきた。




「自分でも嫌になるよ。」

自分の制御ができない。
我慢できない。
これじゃ只のわがまま大王だね。




「まぁ確かに。
物を大切にしない自分勝手なところはありますね。」

「…………。」

「自分のペースに相手を巻き込んだりするから、人からの信頼を無くすんです。」

「……………。」

「あと、紳士さに欠けます。」

「…なんか泣きたくなった。」

「でも、それに付いてきた僕も充分ワガママだと思います。」

貴方を誰にも取られたくない欲が、僕の中に存在する限り。




「やっぱり、骸君が1番魅力的だね。」




(君じゃなきゃIt's no meaning)


09,03/30
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