好きだったのに







朝食をどうしようかと考える。
その際に飲むコーヒーは中途半端な感じだが、悪くはない。
今日もいつものように砂糖を1つ入れてから、ゆっくり飲んでいた。

そしていつものように、2人の世界が始まる。






(今はそれだけじゃ足りなくなった)









「朝っぱらから暑苦しいです。」

「だって骸君が物足りないって顔してたから。」

「な、何でそうなるんですか。」

1杯のコーヒーで落ち着いた骸は、口では反抗するが、自ら身を乗り出して口付けていた。
少し矛盾しているが、自分にとってはこの感覚が程よい。

待ち構えていたかのように瞳を閉じていた白蘭の顔。
骸は白蘭の頬に手を伸ばし、自分のところまで近付けさせては口付ける。
色々と恥ずかしさもあるが、白蘭とのくすぐったいキスに夢中でいつのまにか忘れていた。

これが日常、これが日課。




「骸君は白も似合うんだね。」

「…ン……?」

しばらく骸のキスに付き合っていたが、白蘭は頬に手を当てて中断した。
そして相手の顔から体に視線を変える。

すでに洋服から何から全てにおいて純白に染まっていた。
今着ている服は白蘭が骸に渡したもの。
絹でできた軽くて白い服は素朴な感じが出ている。
風に揺れると、カーテンみたいにヒラヒラと流れて綺麗だった。




「髪はほどいていたほうが好みかも。」

「僕は貴方の着せ替え人形ではありませんよ。」

「謙虚だね。
でも嫌じゃないでしょ?」

「ん、」

隙間なく重なった唇と舌には逃げられない。
腰にまわされた白蘭の手を感じながら、骸はキスを続けた。

いつからだろう、
白蘭に心を許してしまったのは。
過去なんて思い出させてくれる暇もなく、今やっている事に必死で。




「ンは…ぁ‥。」

「相変わらず、キスに弱いね。」

止める気なんてさらさらない口付けに、心地よさを覚えて安心しきっていた。
「好き」でもない。
「大好き」でもない。
今の2人は、恋人同士が言うような「愛してる」という台詞に変わりつつある。

しかしそんなに進んでしまっていいのか、と思っている自分がいる。
骸がそう考えていると、察した白蘭が骸の後頭部に手を伸ばして逃げられなくした。




「したいようにすればいいんじゃない?」

「びゃく…。」

「今のところ、不満は無いんでしょ。」

「……………。」

これがあるがままの白蘭。
彼を受け入れて自分に損はない。
それに、自分にとっても万更な話でもないのだから。




「…す…です。」

「…………。」

「好…き。」

「うん。」

「だから、」

「だから?」

「……………。」

骸は顔を真っ赤にさせてうつむいてしまう。
だが小さく呟いたのが聞こえた。
僕を愛して、と。

白蘭の手を自分の胸に持ってけば、キスで感じた分だけ主張している乳首が目立つ。
イタズラに少し摘めば骸の口から熱い吐息が洩れた。




「さすがだね、骸君。」

君は僕の予想を越えていく。




08,03/29
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