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※骸♀、裏、パロディ注意











「君、身売りなんて柄じゃないよね。」

「どうしてです?」

「売春してるって言ってたわりには処女っぽかったよ。」

ここは新しくできたという噂のホテル。
何年かぶりに再会した白蘭と骸は、お互いを確かめるように抱き合った。
同級生かつ元恋人同士ともあって、あまり抵抗はなかった。

そして一段落した朝。
白蘭はベッドの上で新聞を読みながら、隣で寝転んでいる骸の髪を撫でていた。
仕事の都合で、もう1時間もすれば出掛けなくてはならない。




「処女のように見せる、
それが売りなんですよ。」

「キスマーク付けても嫌がらなかったのに?」

「……………。」

「誰にも触られてないような清潔さがないと、おじ様たちは満足しないよ。」

「ずいぶんと詳しいじゃないですか。」

「僕だったらの話。
ちょっとお節介だった?」

「本当に…相変わらずですね。」

「その言葉、そのまま返すよ。」

白蘭と骸は軽いノリで半年ぐらい付き合っていたが、卒業の時に骸が振った。
近付きすぎたから離れたい、貴方以外の人に接触してみたいから、という理由だったのを覚えている。
あまりにも簡潔としていたため、白蘭は憎むことなく骸を手放した。

それから数年。
連絡を取り合っている仲でもないので、お互い何をやっているかわからないまま再会した。




「初めてを奪ったけど、怒ってない?」

「クフフ‥望んだことですから。
貴方の言う通り、僕は娼婦でも遊び人でもありません。」

骸はのそのそと起き上がって白蘭の新聞を取り上げる。
僕と社会、どちらがおもしろいんですかと問い詰めてやりたいところだが、時間がない。




「よかった。
綺麗なままの君で。」

「娼婦が汚いと誰が決めたんですか?」

「現代社会、かな。」

白蘭が骸の頬を撫でる。
そして骸は白蘭の体を跨いで、挨拶でよくやる軽いキスをした。
ここまで積極的なのは付き合っていたころと変わらない。
だがキス以降のことは何もせず、白蘭も下手に手を出せなかった頃が懐かしい。




「今晩もまた、会えますか?」

骸は白蘭を見つめ、寂しそうに聞いた。
そんな骸の首筋に顔を埋めて、キスマークの上から更に吸い付く。
骸の質問に答えるのと同時に、虫除けという意味もある。




「…わかりました。」

「またここで会うとき、誰かを連れ込んでたら怒るからね。」

そう忠告すると、白蘭は骸の額にキスをしてベッドから出た。
身支度をさっさと済ましてしまうと、何も言わずに部屋から出ていってしまう。

骸は白蘭の背中を見送ると、再びシーツを頭からかぶった。
そして腹部や胸を触る。




「……あつい…。」

白蘭に触られたところが熱い。
これだから嫌なんですよ。




「何年経っても1番なんて。」


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